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一歩前へ



「クレマチス、決めたわ。私は西へ向かいます。お供しなさい。」


小さな身体が大きく逞しく見える。


国を一つ見渡して再びクレマチスを見た。クレマチスの瞳はいつも真っ直ぐナツを見つめている。そこにナツは惚れたのだ。

旅に出たとしたらしばらく国には帰って来れないだろう。

そんなことは6歳でもわかる。

寂しい、と言うよりも屋敷の使用人に申し訳なかった。


屋敷の皆さん、ごめんなさい。


「大丈夫、一度屋敷に戻りましょう。出発は明日です。」



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