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目のない人形  作者: 凡ゝ
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目のない人形

初投稿です。文字数少ないのは多めに見てください。

目のない人形

 エピローグ

 この夏は特にひどい。人が生きるには過酷すぎる熱が、アスファルトを照り付けている。外を歩く人たちも日向には近づかず、皆日陰に沿うように歩いている。社会に溶け込む大人が忌むような暑さの中でも、俺たち子供は元気に遊んでいた。近所の公園を占有し、数人でとりかごをする。近年では珍しくボールの使用が制限されていない貴重な場所だ。俺たちは汗をかきながら和気藹々とサッカーボールを蹴り、それは近所の学校のチャイムが鳴るまで続いた。陽が落ちるまで時間はあるが、皆汗で汚れたベトベトの服で遊び続けられるほど忍耐のあるわけではなかったので、ここいらで解散ということになった。

 友達の一人、Aとは家が近いため同じ道で帰ることになり、道中で軽く話をした。蒸し蒸しとした夏に涼しさを与えてくれるのは怪談であろう、ということで知っている怪談を交互に話していった。Aは『目のない人形』という怪談の話をした。「この地方には昔、一家心中をした四人家族がいた」と話初め、その家族の顛末を語ってくれた。父親の会社が倒産して貧困に陥り、錯乱した母親が子供を殺し、それを知った父親が母親も殺し自殺したらしい。ありきたりな怪談だが、Aは話はここから。と言い話を続けた。

 「その殺人が起こった場所に、母親に殺された子供たちが遊んでいた人形が、目のくり抜かれた状態で置いてあったらしい。それ以来、毎年その事件が起きた場所には、お供物に目のくり抜かれた人形が置かれるんだ。」話が終わるとAは、俺の顔を見て笑った。「怪談の効果はバッチリなようだな。」目の抜かれた人形が供えられていると聞いた時、怪談としての恐怖と、供えている人間への嫌悪が混ざりとても苦い気分になった。眉間がより、怒っているような苦しいような顔になっていただろう。その後もAは色々な話をしていたが、人形ほどのインパクトあるものは無く、記憶には残っていなかった。

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