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突然の報告

ふたりは彼の車に乗り、彼の家に向かった。

着いたのは綺麗な外見の10階建てマンションだった。


「ここの2階」

「はい」


部屋に着くと、鍵を開けた。


ガチャ


「入って」

「お邪魔します」


桜子は中に入った。

白い壁にナチュラルウッドのフローリングと普通の玄関だった。

ホワイトウッドのチェストだけが置いてあった。


シンプルだけど綺麗……!


「こっち」


陽一は桜子をリビングへ連れていく。

桜子は驚いた顔をした。

家具はテーブル、ソファー、背の低い本棚、そしてテレビ台の上にテレビが置いてあるだけだった。


えっ、ミニマリスト?


「適当に座って」

「あっ、はい」


桜子はソファーの右端でちょこんと座った。

陽一はキッチンに行く。


桜子が俺の家に……

いや、これからしょっちゅう連れてくることになるかもしれない

今日は絶対変な気を起こさない……!


手に取ったタバコの箱を置いた。


「なんか飲む?と言ってもお茶しかないけど」

「あっ、大丈夫です」


陽一は桜子のとなりに座った。

そっと彼女を抱きしめる。


「最近は仕事大丈夫か?」

「はい。大丈夫です」

「良かった」


耳元で彼の優しい声が聞こえるからか鼓動がうるさい。


ど、どうしたらいいんだろう


「ネックレス気に入った?」

「はい。かわいいから嬉しいです。ありがとうございます」

「そうか」


優しい声、温かい体。

心地よくて少しまぶたが重くなる。


「でも、陽一さん、イルカのネックレス似合わない」

「えっ」

「仕事のとき付けるんですか?」

「そのつもりだが」


桜子は驚いた顔をした。


「でも、それだとバレちゃう」

「いいんだ」

「え?」

「聞いてほしいことがある」


陽一は桜子の体を離した。

真剣な目で彼女を見る。


「俺あそこ辞めることにした」

「え……?」


桜子は目を見開いた。


「それは、わたしと付き合ってるから……?」

「いや、違うとこで人手不足だから働いてくれないかって言われたんだ」

「そう、ですか」

「まぁ、良く考えたらそうすれば堂々と付き合えるしな」


陽一は目を細めた。


「……」


桜子は陽一に抱きつく。


ぎゅう


「どうした?」

「ううん」


陽一はそっと彼女の背中に腕を回した。


「大丈夫だ。時間はちゃんと作る」

「……うん」

「今の環境なら大丈夫。またつらくなったらいつでも連絡して来い」


桜子は小さくうなずいた。


「辞めるまでに時間あるから、もう少しいろいろ教えとく。ちゃんと俺にアシストつくように」

「わかりました」


会話が途切れた。

少し沈黙が続いたあと


「桜子……」


切なげに名前を呼んだ。

甘くかすれた声に体が反応する。


あ、まただ

陽一さんが欲しくてうずく感じ


「愛してる」

「……わたしも、愛してます」

「良かった」


ふたりは視線を合わせると、照れ笑いした。

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