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DreamRe:Link

作者: 星見常雲
掲載日:2025/12/19

# **《Dream/Re:Link》

---

序章 ――目覚めぬ“夢”が始まるとき


あのとき世界は救われた――はずだった。


だが、誰にも知られず世界を救った少年が人知れず夢界へと消えてから一年後。


現実世界では、誰も知らぬ場所で、静かに“ひび”が再び広がり始めていた。


スマートフォンに突如出現したアプリ。


**《DreamGame》――“夢を現実にする”新感覚体験型ゲーム。**


宣伝はどこにもない。それなのに、ユーザーは爆発的に増えていた。ゲームをプレイすると、不思議と夢が鮮明になり、現実にも“記憶にない光景”が滲み出すという。


だが、それはゲームではない。


世界を再び飲み込む“侵食”の、呪われた序章だった。


そのことをまだ誰も知らない。


ただ一人を除いて。


---


第一章 榊原カイト


榊原カイトは、ごく平凡な高校二年生だった。成績も並、運動も普通、特に夢も野心もなく、ただ日々をやり過ごすだけの少年。


ただひとつ、彼には人には言えない秘密があった。


――時々、“他人の夢”を見る。


夢の中に自分の知らない街や、見知らぬ誰かの泣き声が流れ込む。幼いころから続く奇妙な現象。医者に相談しても原因不明で、カイト自身も半分あきらめていた。


ある日の放課後、友人の山本ナギサが興奮気味に話しかけてくる。


「カイト! 最近流行ってる《DreamGame》って知ってる? 超すごいんだよ! 夢の中の世界が現実みたいに体験できるの!」


「夢の……ゲーム?」


カイトはその瞬間、胸の奥に嫌な感覚が走った。


ナギサはスマホを見せつける。


画面に表示されたアプリのアイコンを見た瞬間、カイトの心臓が跳ねた。


**《DreamGame》――そのロゴは、幼い頃から夢で見続けてきた“崩壊する街のマーク”と同じだった。**


「……これ、やばいだろ。」


「え? なんで? レビューも高いし、面白いって皆が――」


「ナギサ、やめとけ。」


「えっ……。」


カイトはこんな強い口調で友人に言ったことはなかった。


しかし、このゲームだけは直感的に“危険”だと感じた。


(……あれは夢じゃない。誰かの記憶……誰かの声……。)


そう思った瞬間、カイトのスマホが震えた。


いつの間にか、インストールした覚えのないアプリがひとつ増えていた。


**《DreamGame》:ようこそ、選ばれし観測者よ**


「――は?」


カイトの背筋に冷たい汗が流れた。


次の瞬間、視界の端に“影が揺れた”。


誰もいないはずの教室の隅で、黒い靄がゆっくりと形を成し――


『……聞こえるか。』


声がした。


だが、そこには誰もいない。


カイトは息を呑む。


『安心しろ。お前にだけ聞こえている。』


「誰だ……お前……。」


『俺には名はない。……いや、忘れたと言うべきか。だが、お前を導くためにここにいる。』


声は淡々としているが、どこか深い哀しみを含んでいた。


それはまるで――記憶を失った魂のささやきのようだった。


---


第二章 精神生命体の声


翌日から、カイトは奇妙な現象に悩まされ始めた。


突然聞こえる誰かの声。同級生の影が微かに“揺らぐ”。そして――二度と見覚えのない街の光景が、現実の端に染み出す。


学校の廊下を歩いていると、あの声がまた響く。


『カイト。お前だけは周りがどうなろうと《DreamGame》に関わるな。』


「関わらないで済むなら関わりたくないんだけど……。」


『いや、もう遅かったようだ。すでに“境界”はお前に触れてしまっている。ゲームの主催者は、お前の存在に気付き始めている。』



「主催者……?」


『姿は見えない。だが“夢を現実にする技術”を手に入れた何者かだ。目的は不明……だが、世界は再び崩れかけている。』


カイトは拳を握りしめた。


(世界が……?再び……?どういうことだ?)


声は続ける。


『お前には、境界の揺らぎを“感じ取る力”がある。だから選ばれたんだ。』


その声はまるで遠い哀しみを背負っているようで、聞いているだけで胸が締め付けられた。


カイトは問いかける。


「お前……何者なんだよ。本当に。」


声は一瞬黙り――


『……今は言えない。思い出せない。ただ……俺には“お前を守りたい理由”がある。』


その言葉は、なぜかとても切実に聞こえた。


(守る……? 俺を……?)


謎だけが増える。


---


第三章 ゲームの裏側


《DreamGame》は、全国で大流行していた。


「夢を現実にする」という触れ込みの通り、ゲーム内で見た景色が現実に残像として“焼き付く”という口コミが広がり、若者を中心に爆発的に流行していたのだ。


しかし、カイトはその裏で異常を感じていた。


ナギサが嬉々としてゲームの進捗を語るたび、彼女の影がほんのわずかに歪むのだ。


まるで現実と夢の境界が、彼女の中で薄くなっているように。


ある日の昼休み。


ナギサが嬉しそうに言った。


「ねえ聞いて、カイト! ゲームの“Stage3”で黒い塔を攻略したら、昨日の夢で本当にその塔に行ったの!」


(黒い塔……?)


カイトの脳裏に、誰かの泣き声がよぎる。


――リュウ……助けて……。


覚えのない名前なのに、呼ばれた瞬間、胸が強く締め付けられた。


あの声が響く。


『それ以上聞くな。カイト。彼女には“侵食”の初期症状が起こっているようだ。』


「侵食……って?」


『夢と現実の境界が壊れ始め…。やがて人間は自我を保てなくなる。』


カイトの手が震えた。


「どうすれば……防げる?」


『ゲームの主催者を見つけ、止めるしかない。』


「そんなの……どうやって?」


『大丈夫だ。お前には“案内者”がいる。』


(案内者……って、お前のことか?)


とカイトは心の中で返した。


『……ああ。俺はお前を導く。どれほど“痛くても”、どれほど“遠くても”。』


その言葉は、なぜか深い決意を帯びていた。


声の主は、いったい何を背負っているのか。


カイトにはまだ、それを知ることはできなかった。


---


第四章 現実の“崩壊”


数日後。


カイトの学校で、ついに“異常”が起きた。


ナギサが廊下で突然倒れた。


その瞬間、彼女の影が黒く染まり――人ではない“何か”がうごめいた。


「ナギサ!!」


駆け寄ろうとしたカイトの前で、空気が歪んだ。


『カイト、下がれ!! “侵食者”だ!』


目の前に、黒い靄が人の形を模した存在が現れる。


まるで夢の影が、現実に溢れ出したかのように――。


『お前の世界はもう安全ではない。主催者は“次の段階”に移った。』


「次の段階……?」


『夢を現実に侵食させる――本来、あり得ないはずの計画だ。』


影がゆっくりとカイトたちへにじり寄る。


だが、次の瞬間――


カイトの周囲を光が包み、影が弾かれた。


「……なに、これ……。」


『境界の共鳴だ。お前の力が目覚め始めている。』


(力……?)


『カイト。お前は――』


声が何かを言いかけた瞬間、ノイズのように途切れた。


『……っ、まだ言えない……。思い出せない……。』


その声は痛みに耐えるようだった。


カイトは拳を握りしめた。


(こいつは何を抱えているんだ……。)


だが、彼にはまだ知る術がない。


ただ確かなことが一つだけあった。


――カイトはもう、戻れないところに足を踏み入れてしまったということだ。


---


第五章 境界の芽吹き


カイトが日常に戻ろうとした矢先、《DreamGame》の“新規大型アップデート”が配信された。その瞬間から、街で異変が急増した。


・昨日存在しなかった建物が、今日には「昔からある」と言われる。

・人々が、夢で見た出来事を現実の記憶と混同する。

・影が、一瞬“別の形”に揺らめく。


そして夜。カイトは深い夢の奥へ引き込まれた。


――白い霧の世界。


どこかで、あの声が呼ぶ。


『カイト。聞こえるか……。』


「お前……また来たのか。」


霧の奥に、黒い影が立っていた。姿ははっきりしない。


『ここは境界。現実と夢が重なり合う場所だ。お前をここに呼んだのは……“警告”だ。』


「警告?」


『《DreamGame》はゲームではない。“現実を侵食する装置”だ。主催者は、お前の存在を探している。』


その声は震えていた。まるで恐れているように。


カイトは睨む。


「お前……一体何者なんだよ。」


影は答えなかった。


『……思い出そうとすると、苦しい。だが……お前だけは守らなければならない。』


その切実さに、カイトは胸を掴まれたような痛みを覚えた。


霧が裂け、一人の少女の幻影が現れた。


黒髪、透き通る瞳。どこかで――見たことがある。


影が焦った声で叫ぶ。


『アリア! 来るな!!』


少女はかすれた声で言った。


「カイト……逃げて……主催者が……あなたを――」


その瞬間、世界が砕けた。


---


#第六章 主催者ネメシア


翌日、カイトのスマホに“強制的に”ゲームが起動した。


画面が黒く染まり、街が歪む。


気がつくと、カイトは黒い塔の前に立っていた。ゲームの演出ではない。現実の中に塔が“存在していた”。


そして塔の頂に、白い仮面の人物が現れた。


『お前は《ネメシア》、、、お前が主催者だったのか、、、なぜこんなことを、、、』


「榊原カイト。境界の欠片を宿す者……ついに見つけた。」


「俺の……名前……?」


仮面の人物−ネメシアは淡々と語る。


「夢界は崩壊の危機にある。かつて“天城リュウ”が境界を閉じたせいでな。」


リュウ――その名前を聞いた瞬間、胸が強く締め付けられた。


「彼の残した力は不完全だった。私はそれを“君の中”に見つけた。新たな核として君利用する。」


「利用……?」


ネメシアは手を伸ばす。


「さあ来い。君は境界のために存在する。」


その手が触れようとした瞬間、影の声が怒鳴った。


『カイト、逃げろ!!』


塔が崩れ去り、黒い霧が爆発した。


---


第七章 失われた部屋と“日記”


気づくと、カイトは古い部屋にいた。見覚えはない。


壁には、ある少年の写真が無数に貼られている。


――天城リュウ。


「なんで……俺、こいつを……。」


胸に込み上げる苦しみ。会ったことなどないはずなのに、涙が出そうになる。


そのとき、机の引き出しに一冊の古びたノートを見つけた。


《天城ユナの日記》と書いてある。


読み進めると、衝撃の内容が記されていた。


『リュウが夢界に消えた後、境界は壊れ始めた。私は夢界に自分の“記憶の欠片”を残した。いずれ誰かがそれを宿して生まれるかもしれない。その子は、リュウと私の“つながり”を受け継ぐ。――その名は、榊原カイト。』


「俺が……ユナの……欠片?」


胸が張り裂けそうになった。


そのとき、影――あの声が震える。


『カイト……お前が生まれた意味は、境界の救済だ。……そして……』


声は苦しげに途切れた。


カイトは強く拳を握る。


(俺は……何者なんだ……。)


---


第八章 アリアの介入


夢の中。再びあの霧の世界。


アリアが現れた。前より輪郭がはっきりしている。


『カイト……あなたの覚醒が進んでいる。ネメシアが本格的に動き出す前に、境界核を守らないと。』


「境界核……?」


影の声が続ける。


『境界そのものを維持する“意志の結晶”。本来はリュウがそれを守っていたの。だけど今は不完全なんだ。』


アリアはカイトを見つめる。


『あなたがその欠片を持って生まれたのは……偶然じゃない。』


カイトはたまらず叫ぶ。


「ハッキリ言ってくれ! 俺とリュウの関係はなんなんだよ!!」


影もアリアも沈黙する。


アリアは震える声で言った。


『それは……まだ言えない。言えば、あなたは耐えられない。』


カイトは歯を食いしばった。


その瞬間、黒い稲妻のような影が襲いかかり、夢が崩壊した。


---


第九章 境界の崩壊と追跡


現実世界でも異変は激化していた。


道が突然見知らぬ街へ繋がる。

建物の影から“夢の怪物”が滲み出す。


ニュースでは「集団幻覚」と報じられたが、カイトには真実が分かっていた。


――境界が壊れている。


ネメシアの力が現実に侵食を始めていた。


影の声が急ぐように言う。


『カイト。奴は境界核を奪いに来る。お前を“核として固定”しようとしている。』


「俺を……?」


『そうなれば、二度と戻れなくなる。人としても……カイトとしても。』


その言葉は、恐怖よりも悲しみに満ちていた。


カイトは決意を固める。


「逃げる気はない。俺は俺の意志で戦う。」


影が静かに言う。


『……ありがとう。カイト。』


その声は、どこか涙を含んでいた。


---


第十章 ネメシアとの最終対決


境界の中心――黒い塔。


カイトはついにネメシアと向き合った。


「カイト。君は境界の欠片。私の理想世界の礎となるべきなんだ。」


「ふざけるな! 俺は俺だ! 誰かの道具になんかならない!!」


ネメシアが手をかざすと、リュウの幻影が現れた。


「やめろ……!」


「リュウは境界の“失敗作”。だが君は、完全体だ。」


その言葉を聞いた瞬間、影が激しく震え――


『ネメシア、お前!!』


ついに影が姿を現した。


光の粒子が集まり、少年の姿へと変わっていく。


黒髪、鋭い瞳――


アリアが息を呑む。


「まさか、リョウ……なの?」



第十一章 境界の声


「……カイト、聞こえるか。」


耳の奥に直接響くその声は、毎夜のようにカイトを夢へと誘った“精神生命体”リュウのものだった。


カイトは眠りの境界の中に立っていた。薄青い霧が漂い、遠くで誰かの記憶の残響が揺れている。


「また夢の中……。リュウ、昨日の続きだ。『ゲームの主催者は夢と現実を繋ぎ戻そうとしている』って言ってたけど……どういう意味だ?」


リュウは答えかけて、わずかに沈黙する。


『まだ言えない。理由は……君が“鍵”だからだ。真実を知れば、主催側に探知される。』


「鍵って……俺がか?」


『ああ。君は境界の力に触れられる唯一の“現実人間”だ。』


曖昧な答え。だがその言葉の端々に、何か隠しているものを感じた。


そして霧の奥から――声がした。


「――カイト……?」


振り返ると、そこに立っていたのは見たこともない少女。


黒髪、透き通る瞳。だがどこか……昔に読んだ物語の登場人物のように感じる。


「君は……?」


少女は苦しげに胸元を押さえる。


「私はアリア……夢界の守護者……“核”の残響が……あなたを呼んだの……。」


リュウの気配が揺らぐ。


『アリア……! どうしてここに!』


アリアが苦しそうに言う。


「境界がまた揺らぎ始めてる……“主催者”が、“彼”を探しているの……。」


「彼?」


アリアは振り返り、視線をカイトに向ける。


「――リュウを。」


カイトの胸がざわりと鳴った。


「リュウを? どういう意味だ?」


答えようとした瞬間――夢が砕けるように崩れた。


リュウの叫びだけが響く。


『カイト、逃げろ! 主催者の“視線”が来る!!』


世界が破裂し、カイトは目を覚ました。


---


第十二章 主催者の手


翌日、カイトのスマホに、“Dream Game”から通知が届く。


【特別イベント解禁】

あなたは“核心プレイヤー”に選ばれました。

夢を現実にするための「境界ステージ」へご招待します。


「核心……プレイヤー?」


嫌な予感しかしない。だが、招待を断る選択肢は最初からないように、アプリが勝手にステージを起動した。


目の前の街並みが歪む。


そして現れたのは――黒い塔。


カイトが息を呑む。


「これ……リュウとアリアが戦っていた場所……?」


塔の頂点には、白い仮面を被った人物が立っていた。


アプリのボイスが告げる。


《ゲーム主催者:ネメシア》


「君が新しい“鍵”か。境界の再接続に必要な存在……。」


声は機械ではなく、誰かの生身の声だった。


カイトは叫ぶ。


「お前……何をしようとしてる!」


ネメシアは仮面越しに微笑む。


「簡単なことだ。夢界を再生させる。かつての“核の守護者”が残した空白を埋めるために。」


かつての守護者――アリア。


ネメシアは続けた。


「境界を閉じた少年がいる。彼の存在は夢界で“異物”だった。だから私は探している。あの少年――」


カイトの心臓が跳ねる。


「――天城リュウを。」


その名を聞いた瞬間、周囲の光景が揺らいだ。


スマホが熱を帯び、リュウの声が響く。


『カイト、今すぐ離れろ! ネメシアは……!』


カイトが走り出そうとした瞬間、塔の影が足元を掴んだ。


ネメシアが腕を広げる。


「ようこそ、“境界ステージ”へ。ここで君の役割は終わる。」


影がカイトを飲み込んだ。


---


第十三章 夢の欠片


気が付くと、カイトは暗い部屋にいた。


壁一面に、写真が貼られている。


その中央に――少年の写真。


黒髪、鋭い目、どこか寂しげな表情。


カイトは呟いた。


「……これ、リュウ?」


知らないはずなのに、強烈な既視感があった。


リュウの声が頭に響く。


『見ないでくれ……カイト。そこは……俺の“過去”だ。』


「過去って……どういうことだよ。お前は何者なんだ?」


リュウは苦しげに沈黙する。


『まだ言えない……だが、もう少しだ。真実に辿り着ける。

その前に……お前に見せなきゃいけないものがある。』


壁が揺れ、写真が落ちた。


その奥に、日記帳が隠されていた。


カイトが開くと――こう書かれていた。


《天城ユナの日誌》


カイトの手が震える。


「ユナ……? 誰だ……?」


ページをめくる。


日記には、リュウの失踪後、ユナがどれほど彼を探し続けたかが綴られていた。


『リュウがいない。

でも、夢の中で“もう1人の自分”に会った。

彼はこう言った――

“リュウは境界に閉じ込められた。お前がその“欠片”を受け継ぐ”』


カイトは息を詰める。


「……“もう1人の自分”?

まさか……」


日記の最後のページに、こう書かれていた。


『私の記憶は二つに裂けている。

現実の“ユナ”と、夢に残った“ユナの欠片”。

その片方が、境界を越え……

“カイト”という新しい存在に再構成された。』


カイトの視界が揺らいだ。


「俺が……ユナの……?」


リュウの声が震えていた。


『言えなくて……すまなかった。

お前は……ユナの“夢側の記憶”が人として生まれた存在だ。

だからお前は鍵になった。

そして……俺を覚えていないはずなのに、俺を信じてくれる。』


カイトは胸を押さえた。


信じられなかった。


だけど――涙が滲んだ。


「……リュウ、お前は……ずっと孤独だったんだな。」


リュウは言った。


『カイト。

俺たちが繋がった理由は、境界が“選んだ”からじゃない。

ユナが……お前が……

俺を助けたいと思った“心そのもの”だ。』


その瞬間――暗闇が裂け、ネメシアが現れた。


「真相に辿り着いたか。だが遅い。」


塔が崩壊していく。


---


最終章 境界の再生


塔の頂上。


ネメシアが境界の核を奪い、その中心にリュウを閉じ込めようとしていた。


リュウの身体は光の粒となり、型を失いつつある。


「やめろ!!」


カイトが叫ぶ。


ネメシアは冷たく笑う。


「リュウは“境界の産物”。

本来、人間であるはずがない。

だから私は世界を正しく戻すために、核の一部として彼を再利用する。」


カイトは震える声で言った。


「……リュウは、俺の大切な友だ!!」


ネメシアが手を振り上げた瞬間――


アリアの声が響いた。


「境界は“心”で繋がるもの……!

あなたは……間違ってる!」


光が爆発し、リュウが解放された。


カイトが一歩踏み出す。


胸の奥から光が溢れ出す。


それは――ユナの残した“想い”。


カイトは叫んだ。


「ユナの夢も、リュウの願いも……ここで終わらせない!!」


光が境界を満たし、核が再生していく。


ネメシアは崩れ落ちた。


「……愚か者が……!」


そして光が弾けた。


---


## エピローグ **夢を繋ぐ者たち**


境界は再生した。


リュウは夢界の住人としての姿を持ちながら、以前より“人”に近い存在になった。


アリアは微笑む。


「あなたがいてくれて……本当に良かった。」


リュウは照れながら視線をそらす。


カイトが笑う。


「お前ら……相変わらずだな。」


アリアとリュウが同時に振り返る。


「カイト、これからどうするんだ?」


カイトは空を見上げた。


夢界と現実の境界は穏やかに揺れている。


「俺は……ユナの意思を継いだ“欠片”として……

夢と現実の調律者になる。」


リュウが微笑み、拳を差し出した。


「相棒として、な。」


カイトも拳を重ねた。


「もちろん。」


夢界に新たな光が灯った。


“夢を現実にするゲーム”は終わりを迎え――

今、本当の未来が始まった。


どんな感じで区切ればいいのかわからないですね。

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