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【Side:アルトホルト】
「この話怖くない?もっと驚いたりしてもいいんだよ?気持ちによっても色が出るから大体の起伏はわかるし」
幼馴染さえ最初は怖がっていた。
本当は嘘さえわかるこの瞳。公爵子息という立場にいると見たくないものさえ垣間見えてしまう。
「むしろわかるほうが楽だわ」
楽?四六時中心を読まれているみたいなものなのに?
嘘の色がない・・・。本心・・・。
「え」
「実際分かるほうが、怒りでも悲しみでも嬉しさでもアルト様が一番に気づいてくれるということだわ。長所を教えてくれたのね。ありがとう。ちなみに私はこれでも記憶力がいいのよ」
そんなこと言われたことない。。。
どちらかというと短所教えたし、大体の人がこの能力を知れば怖がったり利用したいと考えるものだろう。
事実、自分で使う分には便利だ。
欲しい。エラの心もすべて。
考え方・価値観すべて知りたい。
今のところ僕に興味はなさそう。あ、でもこの瞳は気に入ってくれているのかも?
本当の婚約者としてたくさん好きになってもらわなきゃ
脳筋男って思われてたらどうしよ。
たくさん甘やかして、僕だけ見ててもらわないと。
絶対に逃がしてあげない。