婚約者殿④
「5歳の時に洗礼に行ったでしょう。その時に、僕には見えたんだエラの色が。とっても綺麗だったんだよ妖精たちも周りを楽しそうに飛んでいた。」
「すごいわね」
「この話怖くない?もっと驚いたりしてもいいんだよ?気持ちによっても色が出るから大体の起伏はわかるし」
「むしろわかるほうが楽だわ。」
「え」
いまだに魔力や妖精は自分が見えてないからなんとも言えない類ではあるけど、アルがそういうならそうなのかもしれないと不思議と疑いもない。
「実際分かるほうが、怒りでも悲しみでも嬉しさでもアルが一番に気づいてくれるということだわ。長所を教えてくれたのね。ありがとう。ちなみに私はこれでも記憶力がいいのよ」
私もそんな素敵な能力ほしい。
そしたら母様に怒られるときや貴族社会での社交に便利だわ!
「そんなの・・・。よし。わかった。今すぐ結婚しよう。」
「何言ってるのよ。私はまだ11歳だからできないわ。学院を卒業する16歳までは」
急な申し出嬉しいけど、まずはお友達からだったのでは?
距離の詰め方って知っているのかしら。。
もしかして身体を鍛えているばっかで脳筋・・・?
「はははっ!そうだよねぇ。。でも好きになっちゃった!」
「それは嬉しいことだわ。私もアルのそういうところが好きよ」
親同士も話が終わるころには、私もアルも打ち解けていた。