婚約者殿②
先に公爵様たちと父様がサロンにいるということでド緊張気味の私も侍女に促され足を踏み入れた。
「初めまして。小さな妖精さん。私は、ルカリオ・ルクライン。ぜひ、息子と友達になってほしくてね?」
「初めまして。僕はアルトホルト・ルクライン。かわいい妖精さんにお名前を聞いてもいいかな?」
この親子そっくりで、透き通った黒髪にエメラルドのような瞳。
健康的に焼けた肌。ご令嬢たちの話題にも上がるはずだわ。。。
父様を見ると、さぁ行けといかんばかりの笑みだ。
「はじめまして。エラ・ターフェアイトと申します。このような場を設けていただき光栄です。
わたくしで宜しければ、お願いいたします。」
カーテシーの後、何とか挨拶をしたけど、
汗だっくだくでも淑女の笑み、そして侍女達にセットしてもらった髪はカバーできるほど完璧!
なはず・・・・。
「まぁまぁ挨拶も済んだことだし後は、若い二人に任せよう。どうだ?レリウス。」
「そのほうがいいな!エラはアルトホルトくんを中庭に案内でもしてきなさい」
「ターフェアイト伯爵嬢、宜しければご案内お願いします。」
貴公子の眩しい笑顔に更に汗かきそう・・・。
父様、初対面同士の空気感、むしろ私の身にもなってほしい・・・。
「はいもちろん喜んでご案内いたします。それではルクライン公爵子息、こちらへ」