【Side:フィルバート】
偉大なる〇〇の次期王太子フィルバート・。
隣国の大国である▲▲にも負けず劣らず他の小国なんて視野にも入らんほどの先進国である。
幼少期から姉たちに揉まれながらも頭脳明晰な私は教師陣からも神童と呼ばれもてはやされてきた。
王族はどんなに厳重な警備体制でも命を狙われるため婚約者を公表はしないのが慣習。実際は大国の王女だと内々に内定していて、顔も合わせたが女のくせに剣が達者だという可愛げもない野蛮な女だった。
だが、運命の出会いを果たしてしまった。
学院の入学式、地面に倒れっているハニーブロンドのご令嬢。手を貸すと今にも折れそうなくらい細い手先に今にも涙が零れそうなのに堪える大きなアクアマリンの宝石を彷彿とさせる瞳。
雷が打たれたような衝撃だった。
彼女の儚くも奥ゆかしい見目に完全に心を奪われた。
「フィル王子!!!エラ・ターフェアイト様にぃ暴言を吐かれてぇ、足を掛けられちゃってぇ・・・・。ぐすん・・・。手を貸していただけますかぁ?きゅぴるん」
こんなに幼気な少女を前に群衆は助けない。加えて向こうは数が多いなんて卑怯な。
ルクライン公爵?ハッ!笑止千万。弱い者いじめなんて最低だろう。
ここは王国の時期王太子である私が救ってやらねばなるまい。
「なんだって。それは事実かな?ターフェアイト伯爵嬢。今日という晴れやかな日に聊か相応しくないな。」
卑怯な伯爵令嬢風情相手にする必要もない。
邪魔なルクラインが余計なことを言う前にこの場は余が終わらす。
そうして、側近たちはドアの前に待たせ医務室の中では二人きりになった。
「フィル王子・・・!私っ!怖くてっ!!」
そう言って余になんとも愛らしい姿を見て、思わず抱きしめた。
抱き返されると思わず笑みがこぼれた。
「案ずるな。余が絶対に守ってやる。」
「私にはフィル王子しかいませんっ!だぁーい好きっ!」
そう言い合うお互いの顔は全く見えなかった。




