第6章 サボリ魔王子と視察デート②
食事が終わり、片付けをみんなで行い食後のお茶をしていた時ショコライルが口を割った。
「ミルティア。ここにいる者達をもう一度紹介させてくれないか?」
「是非お願いします!」
ミルティアもショコライルに質問しようと思ってたので喜んで返事をした。
「まずは、ルース。先程も説明した通りアレンの双子の兄で次期カルレッタ公爵だ。アレンは王城で私に仕えてくれているが、ルースは公爵領の仕事の傍ら、この家の管理など行ってくれている。ルイの姿の時はこの家の使用人なので、村の者達はルースが領主だとは知らない。畑仕事が好きな男とでも思われているかもな。」
ショコライルからの紹介が終わると、ルースは立ち上がりミルティアに一礼をして自己紹介を始めた。
「ミルティア様、改めましてルース・カルレッタです。弟のアレンと違い、魔法や剣術は得意ではありませんが、この家を守っております。ここに来られた際はいつでも会えますのでよろしくお願い致します。」
「こちらそこよろしくお願い致します。」
ルースの挨拶を受けてミルティアも応えた。
「アレンがおかしいだけで、ルースも強いよ。」
ショコライルが素早く訂正してくれたが、おかしいと言われたアレンはどんなレベルなのか気になってきたので、いつか本人に聞いてみようと、その機会が来ることをミルティアは楽しみに待つことにした。
「次は、エディルダ。彼は私の護衛として仕えてくれている。彼は貴族ではないから貴族名はないんだ。王都で強盗騒ぎが起き、たまたま私とアレンが近くにいたため駆けつけた時に、エディルダは騎士でもないのに1人で強盗に立ち向かっていたんだ。その心意気を見込んで側にいてもらってる。」
エディルダと呼ばれた青年はルースと同じように立ち上がるとミルティアに一礼をして自己紹介を始めた。
「先程はきちんとご挨拶ができず申し訳ありませんでした。エディルダです。ショコライル様の護衛として仕えていますので、王城で会う機会もあると思います。すみません。貴族ではないため、言葉遣いが何分不得意でして。失礼なこともあるかとは思いますが、よろしくお願いします。」
エディルダはハキハキと話してくれた。言葉遣いが苦手だと言っていたが、ミルティアはそんなこと気にならない。しっかりミルティアの目を見て話してくれる姿を見ただけで、とても信頼できる人だということがわかったからだ。
「エディルダの剣術はアレンと互角なんだ。貴族位は無くとも、私には大切な仲間だ。」
ショコライルの言葉からエディルダを信頼していることが伝わってきた。
「最後はよく知っているね、アニスだ。アニスはこう見えて私の護衛の1人なんだ。」
「えっ?!そうなのですか??」
3人の中で1番よく知っていると思ったアニスのことで、ミルティアは、想像していなかったショコライルからの説明で、頭が混乱した。
王城かカルレッタ家の侍女だと思っていたのに、まさか護衛なんて。女性が護衛というのはあまり聞いたことがなかったため、ミルティアはただ驚くことしかできなかった。
アニスは立ち上がると驚いた顔をしているミルティアを可愛らしい方と思いながら、自己紹介を始めた。
「お伝えしておらず驚かせてしまいました。ショコライル様の護衛をしておりましたが、この度ミルティア様の侍女兼護衛として務めております。ミルティア様のことは誠心誠意お仕えさせていただきますのでよろしくお願い致します。」
「こちらこそよろしくね。それにしても何故護衛できるほど強いの?」
ミルティアはどうみても侍女にしか見えないアニスが、護衛などできるのか気になった。
ミルティアの質問の意図を理解したアニスは、ミルティアが納得できるように説明してくれた。
「私の父は、魔法騎士として務めております。父の修行に付き合ううちに強くなりました。」
「アニスは女性であるがかなり強い。男との力の差を魔法で上手くカバーしている。偶然アニスの修行を見てしまったのがきっかけで、仕えてもらっている。」
「……あの。侍女としての教育も受けてるの?」
「はい、いつかのために学んでおりました。」
アニスの言ういつかが何を指すか分からなかったが、ミルティアに、惜しみなく知識も技術も注いでくれることに改めて感謝した。
「まだ数人私の側に仕えてくれる者はいるから、それはまた会った時に紹介するね。」
一通り説明が終わった後、ショコライルは他の部下についてミルティアに説明した。みんな畑の仕事などでいなくなってしまい、今家の中にはショコライルとミルティアの2人だけであった。
「ミルティア。別の場所には果樹園などがあるんだ。見に行くかい?」
ショコライルはミルティアが畑仕事を楽しそうにしてくれたことが嬉しくて、他の場所も見せたいと思っていた。ミルティアは願ってもいない誘いだったので、当然その誘いに乗った。
「是非行きたいです!」
「決まりだね。ついでに村も案内するよ。それでは行きますよ、リリ。」
「はい、チョコさん!」
2人は並んで歩き出した。
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