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一話「王女誕生」





「…なぜじゃ…、なぜ、なぜ、なぜ子どもができんのじゃあ!!!!!」


大国ルゴス、その現国王はある悩みを抱えていた。

王妃と婚姻してから10年。

子どもができないのだ。


愛し合っていないわけではなく、周囲が羨むほどの仲睦まじき間柄だが、子宝に恵まれない。


王と王妃は来る日も来る日も寝所に籠っていそしんだが、一向に王妃は身籠らなかった。


特に焦っていたのは王妃だった。

名門貴族から嫁いできた彼女が子どもを授かれなかった場合、その汚点は彼女の生家にもその影響を及ぼす。

王妃は国、そして生家からの多大な重圧に心が折れそうな毎日を送っていた。


そんなある日、王妃が王国に伝わる神聖な泉で水浴びをしていると、なにやら声が聞こえた。

声の正体は、蛙であった。

蛙は王妃をじっと見つめ、そう、艶かしい王妃の体をじっと見つめ、一言こう呟いた。


「もう赤ちゃんを…、生めそうな体ですね。一年以内に、あなたは子を宿し、産むでしょう。」


そういうと、蛙はすぐに姿を消した。

とても気持ちの悪い言い方であり、しばらくは王妃も信じていなかったが、すぐにそれがお告げであったのだとわかった。

なぜなら、少ししてすぐに、蛙の言う通り王妃は子を宿したからだ。


そして十月十日の歳月が流れ、ついに王と王妃の子が誕生した。

子は女の子で、「カミーユ」と名付けられた。



長年の願いが叶って非常に喜んだ王と王妃は、国内に住む13人の魔女たちを祝宴に招待することにした。魔女の祝福は、子の将来をより良きものにするとされ、王と王妃はその祝福を愛する我が子にも授けてもらおうと、祝儀の準備を始めた。



しかし、一つの問題が生じた。

魔女は国内に13人いたにも関わらず、彼女たちをもてなすために必要な金の皿が12枚しかなかったのだ。製作には大変な時間を要するので、作り終わる頃には祝福をかける時期をすぎてしまう。

王と王妃は悩んだ。

だが、決断しなければならない。

王と王妃は一人だけ、13人目の魔女だけは招待しないことにした。

だが、招待を送った日の夜、魔女たちは『交信魔法』によって互いに連絡をとっていた…。


ーーーーーーーーーーーーーー


「聞いたかい?王のもとに子どもが生まれたそうな!」


「あぁ、今日祝儀の招待状が届いたよ!行く?行かない?」


「行くに決まってんだろう?中身を見て三秒で決めたよ。」


「火も、水も、土も、風も、王女の誕生を祝福しているわぁ~」


「王女様に、神のご加護がありますように…」


「まあ、私は手紙が届く前に王女が生まれたのを感じていたけどね!」


「王と王妃は幸運ね、このまま生まれないかもしれなかった」


「あのイケメン宮廷詩人…、来るかな…?」


「わっちは宮廷の豪勢な食事が今から楽しみでありんす」


「いーや、待て待て。王妃の誕生が喜ばしいとは限らんぞ?」


「新しい王族の誕生なんて、国にしては緊急事態だものね!」


「とにもかくにも、なんとしても予定を合わせなくてはね」


「あのー…、私のとこに招待状、届いてないんだけど…」


「「「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」」」


<交信を終了しました>


<交信を終了しました>


<交信を終了しました>


「え?ちょ、ちょっと!」


<交信を終了しました>


<交信を終了しました>


<交信を終了しました>


<交信を終了しました>


「みんな、待ちなさいよ!」


<交信を終了しました>


<交信を終了しました>


<交信を終了しました>


<交信を終了しました>


「…もしかして、私だけ誘われてないの?」


<交信を終了しました>


「ゆ、ゆ、ゆ、許さなーーーーい!!!!!」


招待をされなかった13番目の魔女は、大変腹を立て、王と王妃への復讐を誓ったのだった。


そして、そんなこととは露知らず、それから幾日かして、とうとう祝儀が開かれた。



おもしろい!と思っていただけら、星マークのところで評価をお願いします。していただけると、作者が嬉しくて泣きます。

感想までつけていただけたなら、作者が踊り狂います!


何卒よろしくお願いします!

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