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追放される氷の令嬢に転生しましたが、王太子様からの溺愛が止まりません〜ざまぁされるのって聖女の異母妹なんですか?〜  作者: 星井ゆの花(星里有乃)
正編 第三章

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第01話 リメイク版、実装


 元号が変わり令和になって数年、相変わらず人気ジャンルの乙女ゲームだが、最近では過去作品のリメイクが流行している。

 絵柄や映像を一新し、過去の発売時には攻略対象にならなかった相手も攻略可能。また、新たなエンディングや別設定でプレイをし直したり……など、遊べる要素が増えるのが特徴だ。


 学校帰りに立ち寄るカフェでは、ふわふわクリームラテを片手に乙女ゲーム好きの女子高生達が情報交換をしていた。カバンからは、大好きな乙女ゲームのキャラの小さなぬいぐるみがちょこんと顔を出していて、まるで会話に混ざっているかのようだ。


『へぇ……次のリメイク作品は【夢見の聖女と彗星の王子達】かぁ。シリーズは有名だけど初期作品ってどんな感じ何だろうね』

『ああ、それね。いわゆる学園もので、裏設定ではタイムリープを繰り返す夢オチらしいんだけど。リメイク版では、主人公が夢オチ出来なくなる代わりにタイムリープから抜けられるらしいよ』

『ふぅん。ゲーム雑誌にちょっとだけ新ルートの紹介が載っているね。どれどれ……』



【新ルート紹介・主人公カルミアがざまぁされちゃう? 夢見の真実が分かる新展開!】

 いつまでも王立メテオライト魔法学園の女子高生で居たいと願う主人公カルミア・レグラスだが、彼女の夢の時間に終止符を打つ人物が登場する。父親の再婚相手であるカルミアお付きの元モブメイドのローザだ。

 ローザは初期発売時もモブにしては美人すぎるメイドとして注目されていたが、彼女が父親と再婚するシナリオは当時実装されなかった。

 継母ローザという新たなボス的存在が現れた影響で、カルミアは不仲設定のはずの異母姉ルクリアに頼るようになる。

 これがきっかけでルクリアの悪役的イメージが改善される代わりに、カルミアの我儘ぶりが露呈される結果に。

 いつまでも都合の良い夢を見れなくなる代償に、カルミアはタイムリープから抜け出せるかも知れない。



【未来からの来訪者は人気シリーズの主人公】

 カルミアのポジションを脅かす存在は、継母のローザだけではない。

 現在のプレイヤーにとっては馴染みの深いルクリアの娘がゲストキャラクターとして登場。西方大陸ジェダイト財閥の御令嬢という設定の彼女だが、過去世界となる王立メテオライト学園で、どのような活躍を見せてくれるのだろうか?



『他にもいろいろと、変更ポイントがありますだって。けど、主人公がざまぁされちゃうのってどうなんだろう。一応、バッドエンディングに入るのかなぁ』

『けど、主人公に気持ちのいい設定と引き換えにループ夢オチエンドが基本だったゲームなら、ざまぁされて気分が悪くなる代償として夢から醒めるわけでしょ。本当の意味ではバッドエンディング扱いではないんじゃないの?』

『いつか、夢から醒めて大人になりなさいってこと? それとも当時このゲームをプレイしていた世代は氷河期世代からそれ以降の人達が中心で、今ではみんな大人だから。その人達に向けているとか、あとは……』


 あとは、このゲームの初回発売版をプレイした後に、本当に異世界へと転生してしまった【カルミア・レグラスの中にいる女の子】に向けてのメッセージだった。


『夢から醒めて、大人になって……転生した先の異世界でもいいから、幸せを掴んで欲しい……と』



 * * *



 ルクリアがその異変に気づいたのは、学園の生徒達の髪型の変化が最初で次に小物や持ち物が今時になっていることだった。


(何だか急に髪型が今時になったわね。アクリルスタンドやミニぬいぐるみを持ち歩く子が増えたり、涙袋メイクや透明感系メイクも増えたような)


『それでね、推しのグッズなんだけど。コンビニのくじで、一等が当たって……』

『彼ぴっぴと次の休みに約束してるんだけど、その日がバイト先のシフトが被りそうで……』


 この乙女ゲームの初代作品は随分と昔らしいが、後続シリーズがあったおかげで、スマホやパソコンなどを所持している生徒が多かった。地球とインターネットがリンクすることも多く、ラノベなどの流行もすぐに入ってくる。


 ざっくりとラノベを例に出して流行を振り返ると、『異世界転生オレ最強ハーレム系』ブームから、『真の仲間じゃないと勇者にパーティーを追放されたオレのチートスキルが実は凄い系』、『王太子と聖女は実はクズ、悪役令嬢が正義で真の聖女は私でした系』まで、ルクリアは静かにウェブを介して見守っていたつもりだ。

 そのためこの乙女ゲーム異世界もそれほど古い時代を舞台にしている感じがなく、自然体で過ごしているだけなのだと思っていた。


 だが、あからさまに地雷系や量産型を彷彿とさせる女子生徒を見かけたり、好きな有名人のことを『推し』、恋人のことを『彼ぴっぴ』と呼ぶなど語彙力が令和してきている。


(急激にテキストがアップデートされたわよね。まさか、継母のローザさんの登場によって本当に令和リメイク版に学園内も変化したのかしら?)


 だが、もっと困惑しているのは異母妹のカルミアだった。カルミアの前世の知識では元号は平成までしか知識がなく、令和という昭和をエモくしたような元号の存在は知らない。そもそもエモいってどういう意味? と言った感じで。


 時代に取り残されている感が拭えないカルミアが、様子を見るためにしばらく大人しくなるのは必然なのだった。


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* 断章『地球の葉桜』2024年04月27日。 * 一旦完結した作品ですが、続きの第二部を連載再開して開始しました。第一部最終話のタイムリープ後の古代地下都市編になります。よろしくお願いします! 小説家になろう 勝手にランキング  i850177
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