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妖姫  作者: 白龍
16/25

猫又

達郎と妖姫が、超能力者と出会った後の帰り道。

緑の草が生え揃った空き地に猫たちが群がってるのを発見する。

「猫の集会?珍しいな」

妖姫はいつの間にか達郎から離れ、猫たちに近寄っていく。

猫たちは一斉に妖姫に視線を向ける。猫には見えているようだ。

「可愛いのじゃ~」

妖姫は撫でようと灰色の猫に手を出すが、猫は背中の毛を逆立てて物凄い形相で威嚇する。

「無礼者じゃのー」

そう言いつつも、妖姫は猫の愛らしさにすっかり浮かれているようだった。


「貴女方、今は猫の集会ですわよ?」

美しい声がした。

声のした方を見ると、空き地に積み上げられた木箱の上に、一匹の茶色の猫が座ってこちらを見下ろしている。

一見するとただの猫だが、よく見ると尻尾が二本ある。

「猫又じゃ!珍しいのお」

「ん?あなた悪霊?」

空き地をどんどん進む妖姫に、黄色い目を向ける猫又。

猫たちも妖姫に近づいていく。

「ふーん、珍しいわね…」

「そうじゃろ?愛でてやるぞ猫たちよ!」

妖姫は、一匹の猫に手を差し出し、頭を撫でようと向かっていく。

猫又と達郎は、その光景をひたすら見守っていた。



「にゃあああー!!!」

猫又が尻尾を振ったかと思うと、猫たちは一斉に妖姫に飛びかかり、有り得ないくらいボコボコにし始める。

達郎は止めようとするが猫たちの暴れぶりが凄すぎて妖怪に会った時以上にビビってしまう。

白い煙がたちこめ、猫又は無慈悲にそれを見つめるばかり…。





「この猫どもー!!覚えてるのじゃ!!」

妖姫は白い肌に赤い切り傷まみれで逃げ帰っていった。

頭をかく達郎。



そんな達郎の左手に、一匹の猫が寄ってきた。

「ん?」

猫は赤い舌をだし、達郎を舐める。

猫又は、途端に優しい笑顔を見せて舌なめずりをした。

「あんたは優しい人だから、猫たちに触らせてあげるわよ」

「は、はあ」

達郎に一斉に近づく猫たち。

何十匹もの猫たちの集合に巻き込まれて転んでしまう達郎。

そんな達郎を畳み掛けるように、猫たちは顔を舐めたりじゃれようとしたりやりたい放題やってくる!

「だ、誰か助けてくれええええ!!!」

猫又は、やはりただ見つめてるだけだった。

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