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妖姫  作者: 白龍
15/25

超能力者

達郎と妖姫が、コンビニでプリンを買って帰った時の話である。

プリンを買ってもらって嬉しそうに笑う妖姫はもう子供である。

これだと、達郎は白昼堂々子供に謎のコスプレをさせている変な親と勘違いされてしまうだろう。

…妖姫が他人に見えない事に感謝したい気持ちだ。

ふと前を見ると、そこには黒い帽子にタキシードを着た紳士のような男が。

(嫌なタイミングだな…)

どうか声をかけないでくれ。

達郎はそう願いながら歩道を歩いていこうとした…。


「おや、君」

なめらかな声をかけてくる男。達郎は肩の力が抜けるのを感じた。

意外と柔らかい声だった事への安心感か、声をかけられた事への軽いショックなのかは自分でも分からないが…。

しかし、その男は驚くべき事を口にしたのだ。


「君が連れているの、それは悪霊だね?」

えっ、と大声をあげそうになる。

妖姫が見えているのだ。この男は。

霊感というやつだろうか?

妖姫も口を開いてかなり驚いてる様子。

「み、見えるんですか。そうなんです。こいつは悪霊なんです!」

「ほほう。悪霊という割には邪気は薄いが、まあ悪霊である事には変わらない」

まずい。

この流れは、妖姫に何かをするつもりだ。

達郎は、自然と妖姫の前に立ち、彼女を守ろうとする。

妖姫は、達郎が自分を守ろうとしてくれている事が少し嬉しかった。


男は、更に驚くべき事を口にする。


「その悪霊には、私の超能力を見せて驚かせ、昇天させてやろう!」

え?と話についていけない二人。

男は二人に説明するかのように、ある事を始めた。


「よーく見るがいい!」

男は足元の石ころに右手を向け、強く念じる。


「あっ!」

何と、重力を無視するように石ころは空中に浮かび出したのである!

まさに超能力だった。

こいつは本物の超能力者だ!

思わず拍手をしてしまう達郎に、パッ、と笑顔を浮かべる妖姫。

更に男は他の石ころも超能力で持ち上げ、そのまま空中でお手玉を開始するという器用さを見せる。

これは凄い。街道でこんな物を見れるとは。


「さあ!悪霊よ、昇天しろ!」

「したのじゃ!誉めて使わすぞ!」

達郎も素晴らしい物を見せてくれた彼にお礼を言って、妖姫と一緒に帰っていった。


「世の中には凄いやつがいるもんだな」

「当たり前じゃ。世界は広いのじゃ!」



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