七話
うきうきな気分で家に帰った俺だったがそれはすぐに無くなった。なぜかというと
「じし〜い!そういう訳だから能力使わせて?」
「う〜ん、だめじゃぁ♡」
こうなったからだ
「何でだよ!話ちゃんと聞いてたか?大事な大事な孫の友達を作って幸せな高校生活をおくらせたくないのか!?」
「英人は能力無しでも身体能力は常人より上回ってるじゃろ。能力を使わなくても幸せな生活は遅れるはずじゃ」
「違う、違うんだよ爺。俺は、正直に言おう。ちやほやされたいんだよ!ここを逃したらもう一生こんな機会来ないかもしれない!頼むの爺!この通り!」
「うーむ、そこまで言うならちょっとなら、だあぁめぇじゃぁあ♡」
「ねっとり言うなクソ爺!それならこっちにも考えがあるぞ!前の件、断らせてもらってもいいんだそ?」
「何言っとるんじゃ英人。儂より先に認知症か?」
「浅はかなり爺。この呪いを受けてもう四年目、扱い方は大分心得ているぜ!
この呪いは確かに人助けをしなければ耐えられない呪いだが、それはあくまで自分が圧倒的に優位な状態でのみだ。
つまり!俺が友達が居なければまともな生活が出来ないと認識している限りどれだけ断っても多少の不快感しか来ない!
そして俺はもうそのレベルなら全然耐えれる!勝った!どうだ爺!」
「な、なんじゃってぇ!?そんなバカな!そんな、そしたらもう英人の呪いを強めるしか、、、」
「そうそう、俺の能力の許可をって、なんでだよ!これ以上強くなったら俺の自由行動ほぼなくなっちまうじゃねぇか!」
「若いうちは苦労するもんじゃぞ英人。儂が若い頃なんかよく暗殺の依頼を頼まれてのぉ」
「あのさぁ、いい加減にしてくれよ爺。俺はアンタでもないし今はもう俺達暗殺者は要らない時代なんだろ?自分が一番言ってる事じゃねぇか」
そう言うとあからさまに落ち込む爺
「そう、そうじゃったな。儂がいつと言っとる言葉じゃった。悪かった
この件は儂一人で片付けよう」
とぼとぼと歩いていく爺
悪いけどまったく可哀相とは思わない。俺には利益が無いし何十年も前の血族の争いになんか巻き込まれてたまるか
だと言うのに、呪いが発動してる。本当にクソ爺だ
一人で片付けると言っておいて呪いを発動させるんだから、こうなったら俺は参加せざるを負えないじゃないか
「おい爺!この呪いを解くことを約束してくれるなら、手伝ってやらんでもない」
そうすると爺は本当に嬉しそうに微笑む
「英人、やはりお前は英雄になれる。儂の世代には暗殺者が必要だった。だが今の世には英雄が必要なんだ。英人、お前になら出来る」
少し前からずっとこうだ。俺が呪いによって仕方なくやらされると何故か嬉しそうに爺は笑う
それに何だよ英雄って。意味、分かんねぇよ