二話
顔の全面を覆い、目と鼻の部分だけ少し穴が空いているバリバリ金属色のマスクを着ける
カッコいいやつも家にはあるんだが今日は学校初日だし流石に無いだろうと思ってこんな物しか持ってこなかった
本当はこんなクソダサいものなんて着けたくないが、顔を見られたりして能力が世間に公になってはいけない、と親や爺にしつこく言われているし実際俺にも利点は無いからちゃんと守っている
でもこの呪いさえ無ければこんな事はそもそもしないんだけどな
近付いて覗き見るとどうやら三人の男に女が襲われているみたいだ。最近はこんな大胆な犯行あまり見なかったが無くならないもんだな
ん?襲われてる女、同じ学校か。制服が同じだ。もしかしてここで助けたら友達になってくれたり、いや顔が分からないから無理か
一応バレないように制服は脱いでと。春だけどタンクトップなんてどっかにいるだろへいきへいき
そんなこんなでそろそろやばそうだから早くしますかね
まず1番後ろにいるやつの首をキュキュッとな。まず一人、二人目がこっちを見たのでアッパーを喰らわせる。これであと一人
女の体に夢中になってたやつも流石に気がついたみたいだが振り向いたところを膝蹴りで気絶させる。そんなに力を入れてないから何か後遺症は無いはずだけどあったら自業自得って事で
「あ、あの、助けてくれてありがとう。貴方は?」
女がお礼を言ってこっちを向く、ってこいつ!俺の心を教室でへし折った女じゃねぇか!こんなやつ助けなきゃよかった
元から話すつもりもないが無視して帰る。俺にはアニメっていう使命があるんだ
「あっ、ちょっと待って!」
そう言って俺の手を掴む
ひゃっ!?止めてくれ、その技は俺によく効く。俺、初対面のおんにゃのこに手を握られたの初めてだよ。つまり初体験
落ち着け俺、この女はクソみたいな奴だ。こんな手なんて振り切って、嗚呼何か柔けぇなぁしかも近くだと何かいい匂いするしぬぁあ!
振り払う、事は出来なかったがゆっくりと手を外して逃げる事は出来た。もう恥とか考えずに突っ走った。家まで全力ダッシュで帰った
そして重大な事に気が付いてしまった
俺、脱いだ制服持って帰ってなくね?