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オーディナル~昼は女子高生、夜はヒミツのエージェント  作者: Froncs
オーディナルリーダーの苦難
193/275

No.193 またもや痴漢扱い


「変態!痴漢!もう最悪最低!!」



「待て!これは事故だろ!?それに痴漢はおかしくないか!?」



ーーそれにどこかで聞いたワードだった。



「信じらんないっ!こんなの誰にも見せた事無いのに!もうお嫁に行けないっ!」



 明日香は机の上の物を抱き抱え、急いで泣きそうな顔で部屋を飛び出して行った。


 泣き声と走り去る足音が、廊下の向こうへ消えていく。



「あぁ……Alice先生とせっかく親しくなれたチャンスが……」



 奈留が隣で寂しそうな声をあげる。


 しかしこれに関して、俺が無実なのは分かって欲しい。



 俺は深いため息を吐きこぼし、待たせていたルビー電話をかけた。



「……悪いルビー。待たせたーー」



 そこまで言ったところで、その瞬間勢いよくーー教卓の机が、上に跳ね上がった。



 ドカーン!!



 今の今まで教卓の裏に隠れていた赤髪の女ーールビーが、こちらを険しい顔で睨んでいた。

 


「遅いぞお前らー!!」





 ルビーはスマートフォンを操作し、メールを作成して送信する。


 

「……今お前たちと、メイジーの端末にインストールしてあるアプリーー”エージェント”Ver.オーディナルに、専用の追加パッチを送った」



「追加パッチ?」



 通常コンピュータの一部分を更新して、機能変更などを行うアップデート。



「これがこれから、お前たち専用の電子パスになる」



「パス?何に使うんだよ?」



 スマートフォンは機種によって多彩な機能を備えている。

 主な例としては、これ一つで買い物ができ、電車や飛行機も簡単に乗れてしまう。


 それだけでなく、セキュリティの管理もスマホ一つでこなせるようになった。



 奈留がキョトンとした顔で手を上げた。



「何かを開ける鍵になるんですか?」

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