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オーディナル~昼は女子高生、夜はヒミツのエージェント  作者: Froncs
オーディナルリーダーの苦難
190/275

No.190 幼児向けアニメの主人公


「ーー明日香……だったら俺たちが、お前の初めての友達になってやるよ」



 俺のそのセリフに、明日香は目を見開くように驚いた。



「なっ!?なななな何いきなり恥ずかしいこと言ってるのよ!?ばっかじゃないの!?」



 それもそのはず、いきなり友達になろうと言ってくる人間なんてそうはいない。


 幼児向けアニメの主人公くらいだーー



ーーけれどあの時、あいつは俺をそうやって孤独の中から引っ張りあげてくれたんだ。



「確かに馬鹿な事かもしれないけど、そんな馬鹿なこと言われて喜んでるのはどこの誰だろうな?」



 俺の目に映る明日香は、顔を真っ赤に染めていたが、目元があまりに嬉しそうだった。



「だ、だだっ!誰が喜んでるのよ!?」



 素直になれない明日香に、隣で聞いていた奈留が更に眼を輝かせる。


 唇を震わせて、明日香の手をガシッと握る。



「わわわわわっ!私もお友達にさせて下さい!」


 

ーー低姿勢が過ぎるだろ……!どんな友達だよ……!?



 しかし大ファンの奈留からすれば、どんな形であれ、親しくなれる大切なきっかけだ。



 そんな俺たちに、明日香はじとーっと半目で見つめながら、赤く染めた頬のまま強気に言い返した。



「ふ、ふんっ!まぁ、私とそんなに仲良くなりたいんなら、特別になってあげてもいいけど?お、お友達に……」


 

「絵に書いたようなツンデレかよ……」



「うるさいわねっ!私がお友達にしてあげたのよ!感謝しなさい!」



 どうやらその瞬間、俺と奈留はこのーー宮野明日香という少女の初めての友達になったらしい。


 友達になって早速で悪いが、話はまた今度ゆっくりするとして……



「じゃあ今度ケーキでも一緒に食べに行ってやるからーー」



 今はルビーに言われた通り、早くこの場から明日香を退かさないとーーそう続けようとした所で、明日香はモジモジと恥ずかしそうに小声で言った。



「お……お昼を、い、一緒に……」



「あ?お昼?」

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