No.178 シバキ倒すクセ
「朝から思春期男子はお盛んだな。これでアメシストと柚木に、ゆするネタがまた増えた」
憎き赤髪の痴女。
全ての根源がいた。
「て、てめぇコラっ!ルビー!何がゆするネタだ!?殺されかけてんの分かんねぇのか!?」
「そういや言い忘れていたな。アメシストは常日頃、その犯罪クラスの巨乳と童顔という悪魔的組み合わせにより、数多の男共から狙われていてな」
「あ!?」
「アメシストはその防衛本能として、睡眠中に触れた相手を、容赦なくシバキ倒すクセがあるんだ」
「どんな迷惑な寝相!?象かよ!?こんなもん鎖で縛ってなきゃならない凶暴生物じゃねぇか!いつか死人が出るわ!ってかお前だよな!?アメシストを俺のベットで寝かせたのは!」
昨夜アメシストとルビーと、遅くまでトレーニングをしていた事は覚えている。
俺が大声を上げたからか、アメシストがゆっくりと目を覚ました。
「んっ……あ、あれ?もう朝です……?」
首を絞めていた力が緩み、アメシストは徐々に意識を戻していく。
そしてしっかりと自分の状況を理解。
ーー俺の部屋で眠ってしまっていたこと。そして今現在俺の上に跨っているということと、自分が下着をあらわにした半裸状態である事を理解する。
「えっ!?やっ、えっ!?ど、どうしてです!?これなんです!?」
俺はケホケホと咳き込みながら、上体を起こして台詞を吐いた。
「お、おはようアメシストさん……」
しかしアメシストには、呑気に挨拶を返す余裕は無く、顔を真っ赤に染めながらーー俺の顔面を思い切りぶん殴った。
「いやっー!!」
「グハッッ!!!」
そんな光景を見ていたルビーは、うんうんと頷くと思い出したように言い残した。
「柚木。朝ごはんはエッグベネディクトとやらを食べてみたい!先日小香とKiraraのおはニチを一緒に観ていてな、何やら美味しそうに食べていた。私も食べたいぞ」
「は!?何勝手にーー」