No.177 エロムードから一変
「なっ!?これはまずい!まずいって……!」
アメシストは立て膝になって、俺の胸の辺りに手を伸ばすーー
世の中にこんな寝相の女がどこに居たのか……
真下から見える、はだけたパジャマ服の巨乳女性。
先日ルビーがアメシストのために用意した、サイズの合わないボタン付きパジャマ。
しかし大きすぎる胸で前のボタンが全て外れ、ほとんど下着が全開で丸見えの状態になっていた。
ーーあの痴女先輩が……!こうなる事予想して、サイズの小さいパジャマ選んだな……!
寝息でアメシストの胸が揺れ、ゆっくりと上体を俺めがけて倒れてくるのが分かった。
「ちょ!ちょっと待って!ダメだって!お、俺には!まだ!思春期前の妹がいるからー!!」
意味不明の叫びを放った所で、次の瞬間ーー別の意味で、俺はアメシストという女性に襲われることとなった。
ガシッ!!
俺の首をアメシストは両手で掴み、体重を乗せるように強く締め付けた。
「ぐぇぇぇ!!!」
突然何が何だか分からなかった。
先程までのエロムード全開な雰囲気から一変。
俺は今、目の前の半裸巨乳女性に殺され掛けている。
「た、助けっ……!ぐぇぇぇ!!!」
そんな中俺が確認した驚くべき事実は、目の前の首を絞めるアメシストが、しっかりとヨダレを垂らしながら、寝息を立てて眠っているということだった。
「う、嘘だろっ!?どんな寝相の悪さだよ……!?悪魔にでも魂乗っ取られてんのか!?」
ーーそして、もう一つの驚くべき事実。
カシャッ!!
それは突如、部屋の離れた位置から聞こえてきたーースマートフォンのカメラシャッター音。
必死に抵抗する中、俺は音の聞こえてきた方向に視線を向けた。
案の定そこには、見覚えのあるもう一人のパジャマ服女が、スマホ片手に笑って立っていた。