No.176 喘ぎのような甘い女性の吐息
翌日。
突如猛烈な暑さと息苦しさを感じながら、俺はハッと目を覚ます。
朝日が差し込める中、部屋の天井を見つめながら、自分の身体が一切身動きが取れないことに気がついた。
ーーな、なんだ!?これはまさか……”金縛り”って奴じゃないのか!?
寝返りどころか、首を傾ける事すらできない。
次に考える暇すらなく、俺のみぞおちに突如重い衝撃がのしかかった。
ドガッ!!
「ゴハッ!」
悶絶しそうな痛み。
すぐに俺はそれがなんであるのか確かめようとした所でーー耳元から喘ぎのような甘い女性の吐息が聴こえてきた。
「あっ……ぁあ……ん……」
ーーえっ……!?
横目で隣を必死に確認したーー
そこにはサイズが合わないパジャマを着崩した、静かに寝息を立てていた巨乳女ーーアメシストの寝顔があった。
「あっ、アメシストさん……!?なんで……!?確か俺の隣はルビーが寝てたはず……!」
アメシストは俺の首に抱き締めるように眠り、はだけた素足を、俺に絡み付くように乗せている。
先程からの息苦しさの原因はこれだーー
しかし原因が分かってからは、別の意味で、胸の鼓動が熱く早くなっていくのを感じた。
ルビーも相当綺麗な美人だがーーアメシストという女性は、柔らかそうな白い素肌に、それでいて素足やクビレが細いという魅惑のスタイルをしている。
そんな思わず触れたくなるような女性が、ゆっくりと寝ぼけながらーー
「んっ……にゃ……」
起き上がって、仰向けの俺の腰の上に跨った。
ーーその名の通り、まるで馬に騎乗するようなあれだ……!
こんな一見子供には見せられない絵面に、俺の心臓は張り裂けそうなほど脈打っていた。