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オーディナル~昼は女子高生、夜はヒミツのエージェント  作者: Froncs
VS爆弾魔 青空タワーの決戦
174/275

No.174 透明人間のような少女

ーーあっやべぇ……この黒マントと黒仮面を誰かに見られたら騒ぎになる。



 俺はキョロキョロと辺りを見渡しながら、近くの教室に隠れるように避難した。


 適当に隠れたその教室は、人気の無い夕日が差し込んだ図書室だった。



「……よし誰もいないな?好都合だ……」



 放課後の下校時間は過ぎている。


 そうでなくても、この図書室は普段から人気は極端に少ない。



ーー日中でも司書のお婆ちゃんくらいしかいないし……今度からこっそり利用させてもらおう



 念には念を。


 部屋の奥へと進み、本棚に隠れた窓際付近でスマートフォンを取り出した。



「……認証コード。『アプリケーションーー”エージェント”』解除」



 ピピッと電信音が鳴り、黒マントと黒仮面を消滅させた。



 ふぅと肩の力を抜いて、学生服姿の元の俺に戻った所でーー




「あっ……」




 その声は唐突に俺の背後に現れた。



「ふぁ!?」



 俺は目を見開きながら声に驚き、すぐさま後ろを振り返った。


 するとそこには、見覚えのある少女の姿がーー



「ひ、ヒーロー様が……」

 


 茜色に染まる教室内で、少女は掛けていた眼鏡をゆっくりと外す。


 

「な、奈留……!?まさか見たのか……!?俺の正体……!」



「……音羽くんが、ヒーローさんだったんですね……ふふっ、驚きました痴漢さん」



 ーー思い出した……!この露草奈留と言う少女と初めて出会った時の事……!



 あまりに薄い存在感で、俺は初対面にして痴漢呼ばわりされてしまった。


 今だって人気には細心の注意を払った……つもりだった。

 


 まるで透明人間と呼びたくなる少女だと、俺は改めて思い知る事になる。



「や、やばいっ!ご、ごめごめごめん!だ、だだだだますつもりは無かったんだ!」

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