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オーディナル~昼は女子高生、夜はヒミツのエージェント  作者: Froncs
VS爆弾魔 青空タワーの決戦
163/275

No.163 優しい気持ちだけじゃ味方とは言えない

「あっ!ヒーローさんが……!」

 


「なにか策はないか……!?くそっ!私が不用意にここを離れたら、駅爆破の二の舞が起こる可能性も……どうすれば!」



 同じようにルビーも、力を持っていながら何も出来ないこの状況に、苛立ちを感じていた。



 奈留は罪悪感に苦しみながら、涙を流して手を伸ばすーー

 俺の戦いを見つめながら、隣にいるルビーに想いを呟いた。



「私がヒーローさんを助けたい……!私はヒーローに、皆さんに……大勢の人に迷惑を掛けました……!それなのに私は……!何もできない……!」



露草奈留つゆくさなる……その気持ちだけあれば十分だ」



「気持ちだけじゃ……!何も救えません……!」



 奈留は悔し涙を流していた。


 それを通信機で聞いていた俺は、痛みを堪えながら言い聞かす。



«大丈夫だ奈留……!お前のその優しい気持ちが、俺の戦う力に変わるんだ……!お前がそこにいてくれるから、俺は何度だって立ち上がれるんだ……!言っただろ?俺はお前のその味方だって……!»



 奈留を悲しませないようにーー


 これ以上泣かせないようにーー



 俺は必死に言葉を奈留に聞かせた。



 けれど奈留はーー”味方”という言葉を聞いて思い知る。



「”味方”と言うのは……お互い守り守られる存在であるべきです……!」



 張り裂けそうな胸を抑えながら、俺の戦いを遠目でしっかり見つめていた。



 次の瞬間ーー


 奈留の目に映ったのは、俺が早坂の用意した、無数のラジコン飛行機に取り囲まれる光景だった。



「あっ!ヒーローさん!!」



 隣でルビーも必死に通信機に叫ぶ。



「逃げろビースト!死ぬぞ!!」



 俺もそうしたいのは山々だったが、先程大門から受けたダメージが、俺の身体を鈍らせる。



 いつも気弱で物静かな奈留だったが、その光景に大声で想いを叫ぶのだった。




「嫌っ!今度は私がヒーローさんを助けたい!!私もヒーローさんの”味方”なんだから!!」

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