No.159 No2の働き
「来るな!それ以上近づけば、あの眼鏡のペットショップを爆破させるぞ!?」
「やってみろよ……!」
「なっ……!?」
俺の強気な台詞に、早坂は焦りながらキーボードを叩いて遠隔起爆の操作する。
けれどいくら操作した所で、既に手を打っていた俺たちの前では無力だった。
俺は耳に取り付けていた通信機でーー遠くで任務を遂行する仲間に連絡した。
「ご苦労だ”メイジー”!流石はオーディナルのNo.2だ!」
«あ、ありがとうございます!光栄ですヒーロー様!»
照れて喜んでいるメイジーこと、愛菜の嬉しそうな声が伝わってくる。
愛菜は俺と別行動を取り、ルビーの指示のもと、ペットショップに仕掛けてあった爆弾の撤去作業を行っていた。
奈留を縛っていた危険は、これで完全に取り払った。
グループ通信で、ルビーと共に青空学園の屋上にいた奈留は、何度も何度も泣きながらーー
«ありがとう……!ありがとう愛ちゃん!ありがとうヒーローさん!»
ーー感謝の意を述べていた。
奈留には小香と同様、万が一のため、安全な場所へ避難するよう言ってあったがーー
«私は非力で約立たずかもしれませんが、皆さんの傍で一緒に戦いたいんです!»
奈留は強気にそう言って、ルビーと共に俺の遠隔アシストを行なってくれる。
今も遠くの青空学園屋上から、超視力でこちらを見てルビーに状況を伝える中間役を担っている。
爆破を止められた早坂は、血相を変えてスマートフォンを取り出した。
「く、くそっ!こうなったら他の爆弾を起動させてーー」
そこまで早坂が言ったところで、俺は例のごとくアプリケーションを起動する。
『アプリケーションーーエレクトリック系カスタマイズ”マグネティックパルス”』
早坂のキーボードよりも早く、俺は電磁パルスを放出。
スマートフォンやノートパソコンが完全ブラックアウトする。
「もう何も壊させねぇよお前には!奪わせはしねぇんだよ!俺がいる限りな……!」