No.158 不気味に光るノートPC
「お、おねがい……します!!青空タワー……!そこにあの男はいます……!!」
泣きわめく声。
それを俺は黒マントで抱き締め、耳元で小さな声でーーしっかりと奈留にだけ聴こえるように言い返した。
「任せとけ……!」
*
数十分後。
夕日が沈み、時刻は夜の19時を超えていた。
ここは完全閉鎖され、人が寄り付かなくなった青空タワーの屋上展望台。
高さは100メートルを超え、街の夜景を一望できる。
そこで中年の男性が、一人ノートパソコンを広げてキーボードを叩いていた。
「……くそっ!おいっ……!『シークレットコード』はまだか……!」
爪を噛みながら苛立ちを見せ、目的の『シークレットコード』を待ち望んでいた。
髪や服がボサボサで、髭を生やした中年の男。
男は何度もGPSを使い、自身が脅した少女ーー露草奈留の位置情報を確認していた。
しかし奈留は一向に動かず、地図には青空学園を指したままだった。
「何やってんだあの女……!使えねぇな!こうなったら全部俺が爆破させてやる……!」
不気味な笑みを浮かべ、キーボードのEnterキーを叩こうとしたーーその直前。
ガシャーン!!
屋上のドアを打ち破り、颯爽と現れる黒マントーー
電気グローブをバチバチと轟かせ、中年の男を激しく睨みつけた。
「見つけたぜ……!お前が早坂林太朗だな……!」
「なっ!?黒マント!?どうしてここが……!?まさかあの女が裏切って!?」
俺は奈留から、早坂林太朗の正確な位置を聞いていた。
聞いたのはそれだけじゃないーー
「お前だけは許さねぇ……!今からオーディナルが、天誅を下す!」
俺が攻め込もうとした所で、早坂が慌てて叫んだ。