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オーディナル~昼は女子高生、夜はヒミツのエージェント  作者: Froncs
あかね色に染まる空。爆弾魔の行方
157/275

No.157 密告者の想い


「迷惑なんて思わなくていい……それにお前は俺たちにヒントをくれただろ?」

 

 

「えっ!?ヒントなんて私……!」



 身に覚えがなかった奈留は戸惑うが、ルビーが代わりに話す。



「駅でお前が、遠くの一点を観ていたのを覚えているか?あの危機的状況の中、超視力のお前の目に止まった物が何だったのか気になった」



「えっ……そんな事気になったんですか?」



「あぁ勿論だ。お前があの時観ていた物ーーそれは”青空タワー”だった。違うか?」



 青空タワー。


 以前までこの街一番の高さを誇り、人で溢れる観光地だった。


 しかし新しいタワーの建設や、新たな観光地が周辺に出来たことから客足が激減。


 今では閉鎖、放置され、荒れ果てた状態となっていた。



「そこに爆弾魔がいるのか?」



 俺は真っ直ぐな視線で奈留を見つめた。



 ここで奈留が早坂林太朗を裏切れば、お店の動物達が危ない。


 肩を震わせて怯える奈留は、俺の問いに即答できない。


 

「……うぅ!」

 


 マグネティックパルスの効果も、そろそろ限界時間ーー


 

 俺はドンッと自分の胸に手を当てて、奈留の眼を見て強い想いを声にした。



「俺がお前を守ってやる!お前だけじゃない!お前の守りたい物は、もう俺の守りたい物だ!何も壊させない!言っただろ!?俺はお前の味方だ!お前の全部を俺に守らせてくれ!」



 俺の叫びが奈留の心を掴んだ。


 奈留の瞳に光が差し込んだような気がした。



 ルビーがタイムリミットを読みあげる。



「あと10秒だ!マグネティックパルスの効果が切れるぞ!」



 しかし俺たちにもう時間はいらなかったーー



 奈留は頭を下げ、泣きながらも大声で俺に想いを叫んだ。



「お、おねがい……します!!青空タワー……!そこにあの男はいます……!!」

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