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オーディナル~昼は女子高生、夜はヒミツのエージェント  作者: Froncs
あかね色に染まる空。爆弾魔の行方
156/275

No.156 野良猫を優しく抱きしめた(挿絵あり)


「ビースト……もうあまり時間が無いぞ」



「分かってる……」



 ここで一時的ではなく、完全に破壊してしまったら、爆弾魔が何を仕出かすか分からない。



 そんな時だった。


 怯え悲しむ奈留に、一匹の野良猫が近付いてきた。


 奈留の顔を覗き込むように、尻尾をくねくね振りながらやって来た。



挿絵(By みてみん)

 


 奈留はそんな、まるで慰めてくれるかのように近付く猫を抱きしめて、思いを語った。


 

「私、街のペットショップでアルバイトをしているんです……動物が好きで、影の薄い私ですが、お店に行くと動物たちは私を囲んで喜んでくれるんです。私は毎日お店に行くのが楽しみでした。ですが先日……学校終わりにいつも通り出勤しようと、制服姿のままお店に向かっていました。そこであの男に捕まりました……名前はーー早坂林太朗はやさかりんたろう



「早坂林太朗……!?ルビー!」



 すぐにルビーの方を確認する。


 すると既にスマートフォンで情報を検索していた。



「あぁ、やってる……!早坂林太朗……確かこいつは執行猶予中の元藤田組メンバーだ!なるほどな……!執行猶予中の身だから、目立った動きが出来ず、こんな女子高生を脅して柚木を狙ったか……!」



 敵の素性は明らかになった。


 奈留が自身の話を続ける。



「音羽くんについて色々聞かれました……それからあの男が私に言った命令はこうですーー『音羽柚木を連れて来い。邪魔するやつはその爆弾を使って始末しろ。さもなければ……店の動物達を皆殺しにする』と……」



 目の前の猫と、お店の動物達が重なってーー更に奈留の涙が溢れ出る。



 俺は思い出すーー



「だからお前はあの時、ショッピングモールのペットショップで、悲しそうにショーケースの中を覗いてたのか……」



ーー奈留は愛する動物達のために、爆弾魔の指示に従った。けれど傷つけてしまった人々への、罪悪感で苦しんでいた。



「ごめんなさい……!ごめんなさい……!」



「奈留……お前の選択肢は何も間違っちゃいなかった。自分を責めるのは止めるんだ」



「違います!私のせいでたくさんの人が……!それに、ヒーローさんやルビーさんにも迷惑を掛けてしまいました!」

露草奈留の新規イラストです!

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