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オーディナル~昼は女子高生、夜はヒミツのエージェント  作者: Froncs
あかね色に染まる空。爆弾魔の行方
155/275

No.155 優しさを俺たちは分かっている


「よく聞いてくれ。奈留……俺達はお前の味方だ」



「み、味方……!?」



 奈留は当然驚いた表情を浮かべた。


 確かに俺達は、奈留が敵の”内通者”である疑いをかけ、それを暴いたーー


 しかしーー奈留が犯人である疑いは一切持っていない。


 

「露草奈留……お前はーー」



 ルビーはそう言いながら、奈留にゆっくり近づいた。


 そしてーー奈留の制服のポケットに手を入れた。



「わっ!?る、ルビーさん!?」



「ーーこれがお前の、被害者である大きな証拠だ」



 ルビーが奈留のポケットから取り出した物。


 それは小さな電子機器だった。



 ルビーはそれを見て、ひと目で判断する。



「C4爆薬……簡単なプラスチック爆弾だ」



 一見これを持っていた奈留は、誰が見ても犯人である証拠となってしまうが……



 俺はゆっくり奈留と向かい合い、その悲し泣く表情に言った。



「……どうしてこれをすぐに使って俺達を殺さなかったんだ?」



「そ、それは……!」



 奈留は思い出すーー

 駅の爆発で、大勢の人が犠牲になったこと。


 震える奈留を優しく撫で、頷いて囁いた。



「俺とルビーの考えはこうだ。奈留……お前は、爆弾魔に脅されて動いてたんだよな?聞いたよ?駅で愛菜と一緒に、たくさんの人の手当てしてくれたんだって?お前が優しい女だってことは、俺達ちゃんと分かってる」



「う、うぅ……うわぁぁ……!!」



 奈留は座り込んで泣きじゃくる。

 もう涙は止まらない。



「もう怖がらなくていい奈留。盗聴器は一時的だがショートさせた。話してくれ俺たちに」



 俺の横でルビーが、奈留のスマートフォンを拾い上げて様子を見た。



「ビースト……もうあまり時間が無いぞ」

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