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オーディナル~昼は女子高生、夜はヒミツのエージェント  作者: Froncs
あかね色に染まる空。爆弾魔の行方
154/275

No.154 内密に送られたメール


「いや、それはないよ奈留」



「どうしてです!?どうして私だけを疑うんですか!?」



「いいか奈留?よく聞いてくれ。あの時あの立体駐車場に行くことを知っていたのはーー俺とルビーと”お前”の3人だけなんだ」



「えっ……!?」



 奈留はそれを聞いて唖然としていた。


 返す言葉が無くなったんだーー



 ルビーが残念そうな表情を浮かべながら、事態の説明を話し出した。



「私たちがアメシストのバンで、あのビルの屋上に逃げた時、『インビジブル』で透明化して逃げたにも関わらず、敵に発見されて攻撃を受けた。あの時点で”内通者”の可能性を考えていたんだ。だから私はビーストに、内密にメールを送っていた」



「メール……!?」



「あぁ、メールは《立体駐車場に向かえ。その事をこっそり、露草奈留にだけ知らせてみよう》ってな」



 俺は初め乗り気はしなかった。


 同じ学校の、愛菜の友達を疑うなんて真似はーー



 けれどルビーの指示に従い、奈留の疑いを晴らすことが出来るならと。



 ルビーの話を聞いた奈留は、溢れた涙を袖で拭って台詞を吐いた。



「……それって、初めから私を疑っていたんですねルビーさん……」



「……駅でのお前の言動が気になった。お前は真っ先に、音羽柚木の行方を慌てて尋ねていたな?人を気にかける優しい女だと言ってしまえばそこまでだが、あの緊急事態で他人の心配している場合か?あの幼馴染の愛菜でさえ忘れていたぞ?」



ーー止めろや……!泣きそうになるわ……!



 などと口に出来ない鬱憤を、俺は咳払いで誤魔化した。



「と、とりあえず……奈留。お前は全部話してもらうぞ?」


 

「わ、私は……なんて事を……!」



 再度泣きそうになる奈留だった。


 ブラックアウトした自身のスマートフォンを見つめながら、これまでの行いを後悔した。



 しかし俺は責めるわけでも、ましてや怒ることせずーー奈留の頭を優しく撫でた。



「よく聞いてくれ。奈留……俺達はお前の味方だ」

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