No.152 お前だよな
俺はスマートフォンを取り出して、アプリケーションを起動した。
『アプリケーションーーエレクトリックショック』
電撃グローブを出現させる。
何故今攻撃アプリを起動させたのかーー
それ以前に、何故この青空学園でーー
そしてルビーと自分とたった3人で集まっているのかーー
この3点を聞かされていなかった奈留が、戸惑いの表情を浮かべて怯えていた。
「ど、どうしたんですか2人とも……!?一体今から何をーー」
そこまで言わせた所で、俺は奈留の口を左手で抑えた。
「しっ!大丈夫。別に痛い事も怖い事もしないさ」
そう言い聞かし、もう一つのアプリケーションも起動させる。
『アプリケーションーーエレクトリック系カスタマイズ”マグネティックパルス”』
グローブに例の電磁コイルを追加装備。
これをバチバチと雷鳴を轟かせ、奈留の身体に電磁パルスを照射させた。
キーンと甲高い音が響くが、この時間この場所に生徒や教師は近付かない。
人体には無害なこのアプリ。
使う用途はただ一つーー電子機器をショートさせる事にある。
「これでよし」
「い、一体何なんですか……!?」
何が何だか分からない奈留。
俺は安心させるように補足説明。
「これは電子機器を壊したり使えなくさせるアプリだけど、出力を抑えて放ったから、まぁ5分くらいは奈留の電子機器を停止させる」
「だから何でですか!?」
戸惑う奈留に、俺は単刀直入に問い掛けた。
「もういいよ奈留。”発信機”か”盗聴器”持ってたんだろ?」
「えっ……!?」
「爆弾魔に俺たちの居場所教えてたの……お前だよな?」