No.151 話がある
「楽しい物なんかここにはねぇよ……ほんと、あんな女の子が安心して過ごせるように、とっとと爆弾魔の野郎をぶちのめさないとな……!」
それを隣で聴いた奈留が、ジト目で俺の表情を見つめて言った。
「……私も安心したいので、早くお家に帰りたいんですけど……」
俺はそれに対し、乾いた笑いで返した後ーールビーに通信を送った。
「ルビー……応答頼む。聞こえるか?」
«……あぁ、お前たち無事か?»
「こっちは大丈夫だ。それより……話がある」
俺が深刻そうな雰囲気でルビーにそう言った。
隣でそれを聴いていた奈留が、キョトンとした表情を浮かべたが、俺は構わずルビーの通信に耳を傾ける。
«奇遇だなビースト。私もだ»
「場所はメールするから、そこで打ち合おう。俺とお前の考えが一緒なら……」
«分かってる……メイジーの奴は連れて行かない。これはこいつにとって酷な話になるだろうからな。私一人で行く……ってお前らうるさい!»
おそらく通信の向こうで、愛菜達が反論しているのだろうか。
容易に想像出来た。
「それじゃあ後で。俺とお前……そして”奈留と3人”で打ち合おう」
※
それから数時間後。
夕暮れで、空が綺麗な茜色に染まっていた。
「待たせたな……」
俺と奈留は遠回りしながら、ルビーとの約束の地点にたどり着いた。
ここは俺と奈留、そして愛菜が通う青空学園の校舎裏。
先に待っていたルビーに手を振って合流した。
「遅い……なんて言わないよ。爆弾魔にこちらの動きを撹乱させる為だ。それより」
「あぁ、とりあえず……」
俺はスマートフォンを取り出して、アプリケーションを起動した。