No.148 不気味な違和感
奈留は身体に電気が走ったかのような、快感で声を上げる。
「あっ!ん、あぁ!ちょ、ちょっと……!」
ここは人気の少ない通りとはいえ、公衆の面前で出す声ではない。
俺は思わず赤面しながらも、強引に少女の身体を今度こそ完全に引き剥がす。
「行くぞ奈留!走れ!今はこんな変態不審者に関わってる時間は無い!」
俺は奈留の腕をしっかり掴み、逃げるように走り去った。
黄色髪の少女は咄嗟に大声を出す。
「あっ!待って待って!」
「待てるか!じゃあな不審者女!俺たちは街を救わなきゃいけねぇんだ!」
立体駐車場に辿り着いた俺と奈留。
すぐに身を隠すように、階段を使って下の階へ降りて行く。
街の様子がよく見える外階段だった。
辺りの風景が一望できる。
しかし、駅周辺が相変わらずサイレンで騒がしい事以外はーー普段の光景と変わらなかった。
ーーあれ……!?おかしい……!ルビー達が爆弾魔の注意を引き付けてる手筈じゃなかったのか……!?
俺はすぐにルビーに通信を送る。
「ルビー聴こえるか!?こちらビースト!応答してくれ!」
«こちらルビー!ビーストお前は今何処のフロアにいる!?建物内は電波が悪く、お前の正確な位置が分からない!»
「俺達は5階立体駐車場フロアにいる!それよりそっちの状況はどうなってる!?無事か!?」
«無事も何も、不気味なくらい何も無い……!車を路肩に駐車させているが、敵からの攻撃一つない……!»
ーーこれは一体どういう事だ……!?敵は車をマーキングしている訳じゃないのか……!?
敵の動きが読めなくなったーー
考え込んでいた所で、隣にいた奈留が突如震えながらしゃがみこんだ。
「も、もう……!嫌っ!怖い……!」
「奈留……!?」