No.14 俺のスマホ……!?
「手がっ!?これってーー」
先程目の前の女がやっていたーー
右手の中にコンパクトピストルを出現させた時と同じ。
光がグローブ状の形となりーー
俺の右手を覆う、黒のレザーフォルムへと変化した。
『ーーエレクトリックショック』
突如出現した黒いグローブは、バチバチと雷鳴を轟かせていた。
「うわっ!なんだこれ!?」
てっきり女と同様のピストルに変わるかと思えば、俺の方は電撃グローブ。
人によって物が違うのかーー
「俺のスマホ……だよな……?」
俺の頭の中が、疑問で埋め尽くされている所でーー目の前の女は銃口を向けた。
「動くな!音羽柚木!」
深刻そうな表情でこちらを睨む。
「待てよ!先ず説明してくれ!これは一体ーー」
そこまで言ったところで、俺に喋らせまいと威嚇射撃。
ズダン!
銃弾は俺の頬横をかすり抜け、後ろの壁に掛けてあるポスターに穴を開けた。
「音羽柚木!警告する!お前のそのスマートフォンは、我々組織の機密事項に該当する!それを大人しくこちらへ引き渡せ!そしてお前の身柄も拘束する!」
「は!?何言ってんだ!?このスマホは俺がショップで正式に契約購入したやつだ!ちゃんと毎月通信料も払ってる!!」
「見ての通りお前のスマートフォンはもう普通じゃない!大人しくこちらに渡せ!さもないと力ずくで取り上げるぞ!」
女は脅しでそう言うが、今の俺には謎の”アプリケーション”がある。
拳を握りーー女の前で掌を開く。
バリバリバリバリ。
どうやらこのグローブは、握って電気を溜めて、拳を開くと放出するらしい。
雷を見せつけ、睨み返して言い返す。
「やれるもんならやってみな!」