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オーディナル~昼は女子高生、夜はヒミツのエージェント  作者: Froncs
2章:爆弾魔逃亡作戦編
139/275

No.139 思春期男子は性欲優先お猿さん?


「ひやぁっ!?と、飛んでる!?無理です無理ですっ!何なんですかこれぇ!」



 俺でさえ理解が追い付いていないこの状況に、一般素人の奈留が慌てるのも無理がない。


 大泣きしながら、隣の俺にしがみつくように抱き締める。



「お、落ち着けー!」



「無理ですー!お家に帰してー!」



 奈留の境遇には、同情をせざるを得ない。


 今日たまたま俺たちと今朝のバスで出会い、たまたま同じ駅で降りたが為にーー空飛ぶ車に乗り合わせている。



 なんとかしてあげたい気持ちは山々だが、俺の方もこの状況に困惑している。



 それにこんな状況で悪いがーー奈留の陽だまりのような温もりと、柔らかい肌の感触が俺を優しく締め付けていた。


 ほのかに香るシャンプーのいい匂いに、俺は戸惑って何も言えなかった。



「頼むから落ち着いてくれー!」



 そんな俺と奈留とは違って、俺たちの更に後部座席に座る女2人ーー


 密着する女子に戸惑う俺を見て、ニヤニヤと笑みを浮かべるルビー。



「時と場合を考えろ。全く、思春期男子は女子がいればなりふり構わずだな。爆弾魔に追われてても、お前は性欲優先か。お猿さんか」



「違ぇよ!」



「ほらウッキーって言ってみろ。発情期お猿さんが」



「変なあだ名呼ぶんじゃねぇ!」



 酷い言われようだったが、すぐさま否定を入れておく。


 その隣の愛菜はと言うとーー



「すごーい!飛んでる!見てくださいヒーロー様!映画みたいです!」



 元々絶叫マシンが大好きで、何より活発的だった愛菜は、むしろこの状況を1人楽しんではしゃいでいた。


 しかし俺の方は当然、外を見ていられる状況じゃない。



 そんなかなり賑わう車内で、助手席のエメラルドは笑いながらアメシストに言う。



「バス遠足みたいだね」



「悠長すぎるですっ!」



 空飛ぶバンの運転に真剣なアメシストは、当然反論を言い返す。

 エメラルドが外の景色を見て、ニヤニヤと続けて言った。

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