No.136 私専用のおっぱいだ!
「あっ!お前!」
俺がそこから続きのセリフを言おうとした所で、先にルビーがお決まりの一言をぶつけた。
「お前帰れ!」
「あれれ。開幕早々辛辣じゃない?アメシスト呼んだの、僕なんだよー?」
「黙れ!帰れ!アメシストのおっぱいは、私専用のおっぱいだ!さも自分の手柄みたいに言うな!」
「言ってる場合か!」
途中明らかにおかしい、意味不明な台詞が混ざっていたが、それよりも気になる確認事項がある。
「小香は!?一緒じゃないのか!?」
俺の当然の問いに、アメシストは運転しながら後ろの俺に言う。
「は、はい!小香ちゃんは自宅でお昼寝してるです!もし万が一、小香ちゃんの身に何か危険があれば、すぐ警報が鳴り、Jewelry本部へ通報される仕組みです!」
それでもとても心許ないが……
今はとりあえず、この事件を一刻も早く片付けるしか他ないか。
「……早くこの件にケリつけよう」
小香を心配に思う。
けれど例の爆弾魔はーーそんな俺たちの行く手を阻む。
車前方を視認するアメシストが、それを発見して叫んで知らせた。
「あっ!またラジコン飛行機来たです!」
今度は先程と違い、狭い脇道を正面から接近する様に飛んで来た。
とても大きなバンが迂回できる程、広い道幅ではない。
流石のアメシストでも、これは回避できないだろうと思った俺達。
遠距離攻撃を持つ愛菜が、現状を考えて自分を推薦して言った。
「わ、私の”フレアボール”ならっ!撃ちますか!?」
愛菜がスマホを取り出して構えたが、ルビーがその手を下げて首を振った。
「いや、その必要はないさメイジー。アメシストに任せておこう」
「で、でもルビーさん!?」
「心配いらないよ。アメシストに走れない所はないんだ。まぁ見ていろ」