No.134 空を駆ける白黒フリフリメイド
ブルルルルル……
またしても、上空から急接近。
今度は4枚プロペラの、無線ドローン。
それが同時に、複数四方向から向かって来た。
「まずい!今度はドローンが!」
こちらの戦闘員は、露草奈留を除く3人だ。
それらを同時に撃ち壊さないと、一つでも逃せばバッドエンド。
さすがに俺たちは、別方向のラジコンターゲットを撃ち落とす事は困難だった。
そして情けないが、俺の持つアプリケーションに遠距離対応の攻撃手段が無い。
「こんなとき、スナイパーがいたら……!」
『オーディナル』に掛けている要因の一つ。
しかしそれを今嘆いても仕方が無い。
俺がスマートフォンでも投げつけてやろうかと思っていたところで、ルビーがある事に気がついて笑みをこぼす。
「……よ、よし!ベストタイミングだ!」
ルビーにつられて大通り交差点の方を振り向いた。
するとそこには、猛スピードでこちらに近づいてくる黒のバンに気がついた。
その光景は、あまりに現実離れが過ぎていた。
何故ならそのバンは4つのタイヤでーービルの壁を垂直に、高速で走り抜けてきていたからだ。
「なっ!?車が壁を走ってる!?」
壁を走るその黒いバンは、空中接近するドローンよりも早く、そして跳ぶように俺たちの目の前に着地する。
荒々し過ぎる登場に、俺たちは呆気に取られていたがーー運転席の窓が開いた瞬間、俺は安堵の胸をなでおろす。
見覚えのある女が、白と黒のフリフリメイド服衣装で、ハンドルを握って座っていた。
窓から顔を乗り出し、震えた声で言ったのはーーJewelryのメンバー”アメシスト”だった。
「は、早く乗ってください!脱出しますですっ!」
窓から顔を乗り出し、震えた声で言ったのはーーJewelryのメンバー”アメシスト”だった。
「は、早く乗ってください!脱出しますですっ!」
ルビーを筆頭に、急いでバンの後部座席に、駆け込むように乗り込んだ。
「お前達急げ!」