No.133 私達は狙われている
『アプリケーションーー”ナノハンドガン”』
小型拳銃を呼び出して、すぐさま向かってくるラジコン飛行機に照準を向けーー
「全員伏せろ!」
それこそ全員にお構い無しに、俺たちが伏せる暇なくルビーが発砲。
ズダン!
銃弾がラジコン飛行機に直撃した瞬間。
ズガーン!!!
空中でラジコン飛行機が、激しい大爆発を巻き起こした。
先ほどの駅爆破程の規模でないにしろーー
まるで花火が目前で打ち上がったかのようで、俺たち全員の体制は、その爆風で地面に崩れ落ちた。
「キャッ!」
愛菜も奈留も、その予期せぬ事態に思わず声を上げる。
ルビーの咄嗟の対処で、何とか俺たち全員に怪我はなく、驚いただけで事は済んだ。
しかしこれには、心臓が破裂するかと思うほど驚いた。
「な!なんだ今の!?」
「……ラジコン爆弾だな」
ルビーが再び銃を構えながら、辺りをキョロキョロと、激しく警戒。
そのまるで映画のような発言に、俺たち全員もすぐさま立ち上がる。
「ラジコン爆弾!?でも何で!?」
「話は後だ!現実を受け入れろ!これで敵の狙いがハッキリしたな……!私達は今狙われている!」
「でもここには『シークレットコード』になる音羽柚木はいないぞ!」
ーー音羽柚木は俺だが、素性ルビー以外誰も知らないはず。
「敵からしてみれば、私達が音羽柚木を匿っていると考えるだろうな!」
愛菜と奈留には、音羽柚木は逃げたと伝えてあるが、実際本当に逃げた訳では無い。
ーー俺がビーストに変身したのだから。
連中が例え駅周辺を見張っていたとして、音羽柚木が逃げた行方が見つからない以上、コチラを狙ってくるのは自然だった。
俺たちはあらゆる音や視界に敏感になり、そしてそれはすぐに気がついた。