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オーディナル~昼は女子高生、夜はヒミツのエージェント  作者: Froncs
2章:爆弾魔逃亡作戦編
129/275

No.129 影の薄い可哀想な少女

「大丈夫ですかー!?」



「奈留ちゃん!?」



 愛菜はすぐにアプリーー”エージェント”を解除して、俺をルビーに任せて奈留の前に出た。



「愛ちゃん……!?今のは一体」



「うん。後でゆっくり話してあげる。それより救助の方は?」



 愛菜が奈留に聞いた瞬間で悪いが、俺はそれより気になったことが一つ。



「よくここまで入ってこれたな……?外は警察が固めてる筈だけど?」



 大体こういう場合、民間人の安全と、情報漏洩による混乱を防ぐため、立ち入らないように周囲を固めているものだ。

 

 それなのに、奈留はこうして一人でここに辿り着いている。

 

 俺の質問に、奈留は下を俯きながらぼそぼそと言った。



「わ、私……昔から影が薄いってよく言われるんです。よくお店で並んでても、順番抜かされたりするし……」



「難儀だな……」



「この前も……自動ドアのセンサーに反応してもらえなくて、閉じ込められちゃったこともあります……」



「可愛そうだな……!それは影の薄さが関係あるのかどうか問いたいが……」



「お姉ちゃんには、『男湯に入っても気付かれない大丈夫な女』とか、言われたし……」



「めちゃくちゃ酷いお姉ちゃんだな!」



 聞けば聞くほど、奈留の涙腺が壊れかけていくの感じた。


 しかしそれにしても、警察のバリケードくぐり抜けるとか、どんな影の薄さだよ。と、突っ込みたくなったがーー


 俺はここに来る途中、奈留と最初の出会いの件を思い出した。



 バスでの一件。


 奈留の存在に気が付かず、座席に座って触れてしまったあれを思い出す。



 あの透明人間のようなーー

 それを思えば警察の目を盗んで、ここまでたどり着いた事に納得してしまう。




 返す言葉を考えていたところでーー俺は奈留が、真っ直ぐ明後日の方向を見詰める視線に気がついた。



「……ん?どうした?」

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