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オーディナル~昼は女子高生、夜はヒミツのエージェント  作者: Froncs
2章:爆弾魔逃亡作戦編
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No.126 夏代海斗と名乗る漢

「ヒーロー様!無理しないでください!その体じゃ、とても戦うなんて……!」




 このボロボロな身体で戦闘続行は不可能なのは、当人の俺がいちばんよく分かっていた。


 だから尚更、俺は自分自身の弱さに悔しかった。



 そんなやり取りを見ていたルビーが、俺の前に出て、夏代目掛けて銃口を向ける。



「お前達こそ、この状況を理解しているのか?そんな身体のお前なら、私とメイジーの2人で片が付く」



「はっ、分かってねぇなぁ女ーー」



 夏代は呆れ顔を浮かべて、そんなルビーに臆することなく物申す。



「そこのスーパーヒーローのガキは、サシで俺に戦いを挑んで、そして負けたんだ。その意味をよく考えてやれ」



 夏代の台詞に、ルビーと愛菜は首を傾げて黙り込むが、俺は少し動揺した。


 なぜならその台詞は、以前小香を襲った他の『藤田組』の連中からは、到底出ないような他人を想う気持ちだったからだ。


 

「あんた一体……」



「まぁ今の俺でも、お嬢と2人ならお前ら全員倒すなんざ訳ないが」



 そんな夏代の強気な台詞に、嬉しくなったスノウが前に出た。


 

「私と夏代、最強チームです……!」



 次に夏代は俺に言い残す。



「俺の名は夏代海斗なつしろかいと。お前名前は?」



 急になんだと言いたいが、先に名乗られたからには答えたい。



「……ナンバー・ビーストだ」



「ビーストか……覚えとくぜ。その勇ましい名前に見合う男になってみろ」



 最後まで上から目線で言い残し、スノウを連れてこの場から去っていった。


 俺も肩の力がすっと抜け、”エージェント”以外のアプリケーションを全て解除して落ち着いた。




 少し離れた所で、ニヤニヤと笑みを浮かべて歩く夏代。

 右腕をふらふらと、不自然に垂らしていたそれを見て、スノウが心配そうに見つめて言った。



「……夏代。どうしてニヤニヤしているの?その右腕……」

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