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オーディナル~昼は女子高生、夜はヒミツのエージェント  作者: Froncs
2章:爆弾魔逃亡作戦編
125/275

No.125 今の俺は……

 バチッと火花に似た電流音がした直後、俺の身体はーー音速を超えて移動する。



 まさに電光石火。雷の速度。

 瞬間移動の如く、夏代の頭上で右脚を振りかざしていた。



 『雷帝ーーサンダーバード』



 その技は名前の通り、雷を起こすと言われる巨大な鷲。

 まるでその鷲が襲い掛かるかのように、夏代の頭上で蹴り払う。



 俺ーー音羽柚木おとわゆずきの持つアプリケーションは、7色の属性のうち”黄属性”の色を持つ。


 ”黄属性”は全属性の中で、最もスピードの特化した属性。



「なっ!?」



 意表を突かれた夏代は、咄嗟に両腕で身体を庇うがーー



「落ちろ!」



 俺の脚は雷の蹴り。

 直撃させた瞬間、激しい雷鳴が轟いた。



 ズガァァン!



 直後俺と夏代の両方は、あまりの衝撃に身体が吹き飛び、お互い瓦礫に強く打ち付けた。



「がっ!」



 それを見ていた愛菜とスノウは、それぞれの方を心配して追い掛けた。



「ヒーロー様!」



 愛菜は倒れる俺に駆け寄って、抱き上げるように膝に乗せて涙した。


 同じように夏代の元へ駆け寄っていたスノウは、先ほどまで激しい攻防を繰り広げながらも、落ち着いていた雰囲気のスノウとは一変ーー

 泣き崩れた、普通のか弱い少女の姿がそこにあった。



「夏代……!夏代……!」



 抱き抱えながら、何度も何度も名前を呼んだ。



「……お嬢」



 夏代がゆっくり目を開けると、目の前には泣き崩れたスノウの表情があった。

 左手でそんなスノウの顔を触り、涙をそっと指で拭った。


 そしてそのまま、スノウの綺麗な白い髪を撫でながらーー



「何、泣いてんですかいお嬢……?俺はこんな事でくたばるタマじゃねぇですよ?」



「夏代のバカ……!大バカ……!夏代までいなくなったら、私……!」

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