No.118 全てを凍らせる無敵の盾
「あぁ!どけぇ!」
俺は叫びながら、夏代を避けるようにルビーの元へ駆け寄った。
「ビースト!?」
「俺は大丈夫だ!けどこいつら……特にスノウの防御をどう崩すか……!」
俺は横目でスノウの表情を伺った。
何度見ても、ヤクザとは無縁そうな純白がイメージの、ごく普通の美少女。
だからとても、俺はスノウの事が気になって仕方がなかった。
ーースノウ……この子は一体何者なんだ!?
今でもやはり藤田組に操られているのではないかーー
利用されているのではないかーー
そんな救いに対しての望みを考えているが、けれど自分から力を使い、夏代と秋雨を助けているように見える。
そんな俺のスノウを見る視線に、ルビーは心境を読んでか怒鳴り散らす。
「おい!ぼさっとすんな!お前の考えなんか、手に取るように分かる!けど諦めろ!あの女は敵だ!今は自分が助かることだけ考えろ!」
ルビーはかなり厳しいセリフを吐いたが、この場合反論が出てこない。
俺は打開策を考えて、思いついた案があった。
「電磁波で遠隔的に、スノウのタブレットを狙って壊すか!?」
しかし瞬間で、ルビーは俺の案を却下する。
「いやダメだな……!確かに”マグネティックパルス”の電磁波は、覚醒者のスマホさえも無力化させるがーー奴の”クリスタルウォール”は、そんな電磁波さえも防ぎ、凍らせる……!」
白属性の防御力ーー
それほどまでに厄介な属性だ。
スノウはタブレットを、いつでもアプリ発動出来るようすっと構え、真っ直ぐな眼差しでこちらを見る。
「ごめんねビースト……貴方とは、お友達になれると思ったんだけど」
スノウと、更に俺たちを挟むように立つ2人の敵。
そんなピンチをーー救いの一手が舞い降りた。
「オーディナルーー認証コード”ナンバー・メイジー”!飛んでけ!」