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オーディナル~昼は女子高生、夜はヒミツのエージェント  作者: Froncs
2章:爆弾魔逃亡作戦編
111/275

No.111 女々しいことはもう終わり

「もう一度言うが、お前は立派な奴なんだ。他人の気持ちを知ろうと、努力しようとする凄い奴だ。でなきゃーー『オーディナル』なんてチームが生まれるはずが無い」



 更に続きを言いながらゆっくり俺に近づいて、トンっと頭を優しく撫でるルビーがいた。



「お前達が、今までたくさんの人を救って来たのを、私は側で見てきた。けれど確かに、今回のお前達はーー初めての”失敗”だ」



「……”失敗”」



 俺はその言葉を噛み締める。


 救えなかった多くの命に、押し潰されているかのようだった。



 けれどルビーは俺を慰める。


 同時に、強い想いで励ました。



「お前は強い奴だ音羽柚木おとわゆずき。私は知ってる。けれど立ち止まってる暇はないだろ?お前がぼさっとしてたら、更に多くの人間が死ぬんだ」



 それは絶対に死んでも嫌だ。


 もう誰も傷ついて欲しくない。



「そんな選択肢……ぶっ壊したい」



「だったらやれる事を全部やるんだ。どんな小さなことでもいい、後で悔いがないように、一生懸命希望の選択肢を探し出せ。『オーディナル』はその力を持っているんだろ?私にその力を見せてみろ」



 俺はそれに強く頷いて、同じようにスマートフォン取り出した。



「めそめそ女々しい事言うのはもう終わりだ!俺も一緒に手掛かり探す!何したらいい!?教えてくれ!」



「一刻も早く犯人に繋がる手掛かりを探し出すぞ。またいつどこを爆破させるか分からないからな」



「またこんな事が起こるかもしれないって言うのか……!?」



「当然だろ。未だ犯人の目的が分からないんだからな」



 だったら尚更、一刻も早く手掛かりを見つけないとーー


 俺はスマートフォンのカメラ越しで、事件現場を写したところでーー妙な違和感に気がついた。


 今でも炎が、あちこちで轟々と燃え広がっているがーー

 けれど俺たちの周辺だけ、その炎がとても奇妙だった。



 アプリケーションーー”エージェント”の能力のお陰もあったが、先程からそういえば、全くと言っていいほど辺りの”暑さ”を感じない。


 いやむしろ、今となっては肌寒ささえも感じていた。



「なぁ、ルビー?少し冷えないか?」

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