No.107 一人でも多く助ける選択肢
ルビーの話はテレビ等で聞く話のようだったが、実際目の前にこうした光景が広がると、一気に身体に震えが襲ってくる。
けれど俺は震えているだけの自分が嫌だった。
子供の泣き声や、人々の悲痛の叫びが聴こえてくる。
ーー俺は、何のために『オーディナル』になった。
もう人が苦しんで、涙を流すのを見たくないからだ。
どんな悲しみも背負って、弱者を守れる男になるためだ。
「畜生っー!!」
拳を強く握り締め、震える膝を叩いて立ち上がる。
俺の表情を見たルビーは、コクっと真剣な表情で頷いて言った。
「まだ終わってない。生存者がたくさん残ってるぞ。そうだろ?」
ただ頷き返して、俺ーー”音羽柚木”は何も言わずにあさっての方向へ駆け出した。
当然それに愛菜と奈留は、声を大にして驚いた。
「えっ!?柚木君!?何処行くの!?」
ーー勿論俺は逃げ出したわけではない。
そんな俺を、エメラルドは笑って小馬鹿にしたように言った。
「フヘヘ。あれ面倒くさっ」
何と言われても、俺はあの力を借りる。
しかしここで愛菜達に見せるわけにいかない。
駅の爆発が及んでない所の、男子トイレに隠れるように入る。
こんな爆発が起こった時に、トイレに入るのも俺くらい。
ーー人気が無くて都合がいい。
人がいないのを確認してーー俺はスマートフォンを取り出した。
「一人でも多く助ける……そんな選択肢が必ずある!いや、俺が作る!オーディナルーー認証コード”ナンバー・ビースト”」
認証コードの掛け声で、アプリケーションを起動させる。
『アプリケーションーー”エージェント”Ver.オーディナル』
黒い炎が俺を包み込み、”ビースト”の黒マントと黒仮面が姿を現した。
ビーストになった俺は、急いで駆けるように現場へ向かった。
ルビーの話はテレビ等で聞く話のようだったが、実際目の前にこうした光景が広がると、一気に身体に震えが襲ってくる。
けれど俺は震えているだけの自分が嫌だった。
子供の泣き声や、人々の悲痛の叫びが聴こえてくる。
ーー俺は、何のために『オーディナル』になった。
もう人が苦しんで、涙を流すのを見たくないからだ。
どんな悲しみも背負って、弱者を守れる男になるためだ。
「畜生っー!!」
拳を強く握り締め、震える膝を叩いて立ち上がる。
俺の表情を見たルビーは、コクっと真剣な表情で頷いて言った。
「まだ終わってない。生存者がたくさん残ってるぞ。そうだろ?」
ただ頷き返して、俺ーー”音羽柚木”は何も言わずにあさっての方向へ駆け出した。
当然それに愛菜と奈留は、声を大にして驚いた。
「えっ!?柚木君!?何処行くの!?」
ーー勿論俺は逃げ出したわけではない。
そんな俺を、エメラルドは笑って小馬鹿にしたように言った。
「フヘヘ。あれ面倒くさっ」
何と言われても、俺はあの力を借りる。
しかしここで愛菜達に見せるわけにいかない。
駅の爆発が及んでない所の、男子トイレに隠れるように入る。
こんな爆発が起こった時に、トイレに入るのも俺くらい。
ーー人気が無くて都合がいい。
人がいないのを確認してーー俺はスマートフォンを取り出した。
「一人でも多く助ける……そんな選択肢が必ずある!いや、俺が作る!オーディナルーー認証コード”ナンバー・ビースト”」
認証コードの掛け声で、アプリケーションを起動させる。
『アプリケーションーー”エージェント”Ver.オーディナル』
黒い炎が俺を包み込み、”ビースト”の黒マントと黒仮面が姿を現した。
ビーストになった俺は、急いで駆けるように現場へ向かった。