表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/275

No.105 男女差別の次に待っていた予期せぬ出来事


「奈留ちゃん!偶然だね!」



 嬉しそうな愛菜には悪いが、痴漢呼ばわりされた俺は誤解を解きたい。



「えっと……ごめん。愛菜説明して。その子は誰だよ?あと俺の痴漢冤罪を晴らしてくれ」



「隣のクラスの露草奈留つゆくさなるちゃんだよ。知らない?」



「えっ!?同じ学校で同い年!?初めて見る気が……」



 失礼申し訳ないが、頭を抱えて悩むも記憶にない。


 そんな俺に、愛菜は冷めた表情でズバッと言う。



「学校に昼寝しに来てるもんね柚木君は」



 言い返すことが出来ず、俺は困った表情で黙り込む。

 愛菜は俺を無視するように、本を取った奈留の表情を見るなりーー


 にんまりと笑って抱きついた。



「あ、愛ちゃん!?」



「ほんと可愛いなー奈留ちゃんは!女の子らしくフワフワで柔らかくて!」



 俺は女の子に抱き着く愛菜を見て、今朝のアメシストの胸を揉みしだくルビーを重ねて思い出した。



ーー俺がちょっと肩を触れたら痴漢扱い…これが男女差別か……!



 などど決して口にできない事を考えながら、窓の外を見ていた。



 しばらくして、街外れの駅が見えてきた。

 ここで電車に乗り換えて、二駅ほどで目的地だ。



« お待たせいたしました。次はーー»



 バスの車内アナウンスが入り、俺は慌てて手元の降車ボタンを押す。


 しばらくでバスが駅前バス停留所に到着し、俺と愛菜ーーそして偶然目的地が同じだった奈留が降車した。



 「一緒だね」なんて愛菜が言って、奈留と二人並んで俺の後ろを楽しそうに歩く。


 俺は少し仲間外れを感じながら、駅の改札を越えようとしたーー



 その瞬間だった。


 誰がこれを予知できただろうか。



 目の前に見えたホームに面した、駅舎待合室がでーー突如激しい大爆発が引き起こる。



 先頭を歩いていた俺は、爆風に巻き込まれるように後ろへと吹き飛んだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ