No.101 男子なら喜んでいい場面
狭さの問題ではなく、流石に女の人2人と同じベットは、色々とまずい。
けれどルビーは、「問題あるか?」と言わんばかりの惚け顔。
再度アメシストの胸を揉みながら、俺の方を見て言った。
「こんな巨乳と、スタイル抜群の私が一緒に寝ていいって言ってやってるんだぞ?むしろ男子なら喜んでいい場面だと思うが?」
妙な上から目線の物言いが気に入らないが、それよりアメシストの表情が気になって仕方がなかった。
声を抑えるように、恥ずかしそうに手で口元を覆いながら、それでも漏れ出していた吐息が色っぽかった。
「だ、ダメぇ……!んっ、あ……ルビーさん!嫌っ……です!」
顔を真っ赤に、トロっとした表情でこちらを見ていたが、俺は思わず視線を逸らして小香を見る。
すると隣に座っていた小香の方は、なぜか目をキラキラと輝かせていた。
「お兄ちゃんお兄ちゃん!大人の女の人って凄いね!」
何に感心してるか知らないが、これが教育に悪いことは明らかである。
「小香!Kiraraの番組はもういいのか!?」
少し大袈裟すぎる急な話題変換だったか。
しかし小香がこちらを見ているという事は、番組が終わっている証。
「うん!30分番組だから!」
「そうか……」
少し言おうか悩んだ挙句決心する。
「この人たちは、お前をーーというか、この家を守ってくれる人たちだ。仲良くするんだぞ?」
すると小香は笑顔で頷きながら、嬉しそうに飛び跳ねた。
「やった!つまりあれでしょお兄ちゃん!?この人『メイドさん』ってことでしょ!?」
「いや全然違うぞ小香!」
アニメか何かで得た知識か、「ご主人様お帰りなさいませ」のあれと勘違いしていた。
確かにメイドというのは、家を清掃や炊事を任せる使用人の呼称で、家を守るはあながち間違ってない。
けれど外敵から守り、それと戦うメイドなんて聞いたことがない。
筈だったがーールビーはそれを聞いて、目をキラキラと輝かせた。
「メイドか!いいな!それだ!ナイス発言だ音羽小香!」