No.1 漆黒のマント
「ナンバー”アリス”。応答を。こちらはプラン通り、青空学園の屋上に到着した」
時刻は夜の20時過ぎ。
繁華街から離れた位置にあるこの学園は、人通りも少なく、闇夜に包まれていた。
漆黒のマントを身に纏う俺はーーまさにダークヒーロー。
右耳に取り付けていた、イヤリング型の通信機で、『ナンバー”アリス”』と呼ばれた味方の1人に通信を送る。
「……”アリス”?聴こえてるか?」
«聴こえてるわよ»
透き通るような綺麗な少女の声。
甘く幼い声で、聴いている俺の耳が癒されていくようだった。
「た、ターゲットは確認出来ているのか!?」
«ターゲットは2時の方向。ナンバー”ターリア”が、既にスタンバイしてるわ »
『オーディナルナンバー』
俺達それぞれの呼称。
コードネームという言葉が当てはまる。
ーーよし。条件はクリア。
俺達のプランは完璧だ。必ず任務を遂行させる。
スマートフォンを取り出して、通信アプリの通話相手項目に、”アリス”に加えて”ターリア”を追加する。
「これより第2フェイズへ移行。俺はターゲットに接近する。”アリス”は周辺の監視カメラの電波妨害。”ターリア”は俺の援護だ!」
命令を言い残しーー
俺は闇夜の中、校舎の屋上から華麗に跳ぶ。
※
「嫌っ!来ないで!」
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