曲げない信念
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...暇そうな人を探そうっていうことで、ずっとこの辺りを見渡してから約1時間位たっただろう。その間、一人で暇そうにしているような人はどうやら見つからなかった。
しかし、二人以上の人に話しかけるというのは、普通に無視されそうで怖いという勝手な偏見により、この男にはできなかった。
...いや、だとしても、
「流石におかしいよな...」
僕が思うに少なくても、(交通の邪魔になってたけど、)道のど真ん中で360度周りをぐるっと見渡せていたし、少なくても一人で暇そうにしている人が、一人位はいてもいいんじゃないかな?
しかし、現実は残酷だった...。一人で暇そうにしている者...即ち『ボッチ』と呼ばれる者達は、どうやらこの周りにはいなく、最低でも、2人以上で行動するのが当たり前かのように、一人ぼっちは僕だけしかいない...。
これじゃ、周りの人から見たら、一人で暇そうな者って僕に見えるんじゃないか―――!?
「おい、邪魔だぞどけっ!」
どうすればいいのかと、一人考え事をしている間に、気がつくと僕の体は宙に舞っていた。何が起こったのかは当然分からない。だけど、空を自由?に飛んでいることは紛れもない事実だろう!
こんな経験、多分記憶を失う前もしてないと思うぐらい充実してるぞ!そんな事を考えているとき...つまり、宙に舞っている時に下の景色を見たときに、すごい頭のいいことを思い付いてしまった!
「そうか...高い所から探せば絶対に『ボッチ』を見つける事ができる!つまり、今か―――!?」
思い付いた事を最後まで言いきらせてほしかったのだが、現実は結構...いや、まあまあ残酷だった。思い付いた事...つまり、名案を言いきる前に、体は地面におもいっきり叩きつけられていたのだ。
普通なら、人間は死ぬと思った瞬間になぜか、全ての物事がゆっくりに見えたり、過去の事を思い出すのだが、この男は違った...。
そう、死ぬということに一切の恐怖を抱いてなかったのだ。
そのため、空を物理的に飛んでいる間も、落ちることを考えずに、喋ることができたのだった。
つまり、周りにいた人目線だと笑いながら何かを喋ってる人が、空から地面に急降下したという、ほぼ心霊現象といっても過言ではない現象が起きたのだ。しかも、頭から思いっきり下に向かって落ちていき、最終的には、うつ伏せの状態で地面に衝突したのだ。
そして、地面に衝突した時の音はまるで、爆発音が一瞬だけ鳴り響いた...そんな事を思わせるほど大きく、強い音だった。
そんな出来事も、時間で考えると全くもって短い時間の間に起きた出来事だった。
それに対して、周りの人は、何で落ちてきたかを分かっている人もいれば、急に降ってきて驚く人、様々だ。しかし、一貫して共通するのは、みんな、落ちてきた男に何かしら心配をしているという所だ。
「...あ、あんた大丈夫かい?」
「いや、流石に死んでるだろ。馬車に引かれたんだぞ?しかも、あの馬車、明らかに暴走してたし」
最初は心配してくれてたけど、今はもう周りの人たちはもう完璧に、僕の生存を諦めているのが分かる。いや、こんな簡単に人って死ぬのか?だって...
...これ、僕は死んだのか?
みんなが僕に反応してくれてたし、その上で心配をしてくれていた。でも、みんなはもう心配してくれてないし、逆にどうするかを話し合っているっぽいし。
まあ、これが『死』ってやつなのか分からないけど、思ったことは全くもって痛みを感じないんだな...。死ぬ間際って、痛みを感じないのかな?僕が知ってる常識だったら、痛いはずなんだけどね?
...
でも、なんか腰が痒いな...腰って、なんか手を伸ばしても、届かない場所があるんだけどさ?今痒いところは、完璧に届くところっぽくって助かったかな。
男は、腰に手を伸ばし、痒いところを存分にかいて、満足気な様子だ。
...?
なんか、死んだとしたらおかしいんだけどさ、普通に手が動くんだけど?
これだったら、足も動くかな?
...なんか知らないけど、足も動くし、ちゃんと立ち上がれそうだけど?
試しに適当に言葉をしゃべってみるのだけど、普通に喋れるし、なんなら、僕が手を動かしたり口を動かしたりする度に周りにいる人がどんどん引いてるのを間近に感じられるほどだ!
...うん、みんなひどい!泣きたい!
「みんな...そんな風な目でみないでよ...悲しくなるでしょ?やめようぜ?...何で逃げてくの?...もう、泣きたいっ!」
男が立ち上がって、周りの人たちに話しかけた途端、どうやらこの辺りにいた人たちはどこかに逃げてしまったようだ。当然だろう。普通だったら死ぬようなダメージを受けて、平然としているのだ。普通なら化け物にしか見えないだろう。
「...なんか、泣きたいのに泣けないな...これって僕は目薬がないと泣けないタイプだというのか?...仕方ない、目薬を調達し...ぅあ!?」
歩きだした直後、男の体全体に単純にヤバイほどの激痛が走った...。
その激痛は思いっきり地面に叩きつけられたダメージだから、ピリピリしたダメージと言うべきか。いや、そんな可愛らしい表現で表せれない。
男の体に常に容赦なく激痛が走り、自分の体を支えることがついに出来なくなってしまい、立つ力すら失って、男は呆気なく倒れてしまった。
「くっ...痛すぎるっ...これじゃあ、目薬を買うというとても大事なミッションが...」
次の瞬間、男は気を失った。
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