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ゲーム中に寝落ちしたら女神に殺されました。

「よっしゃ…!!コレクトアイテムゲット!!」

オンラインゲームにハマり、それを本業だと語る俺、桐生湊(きりゅうみなと)

実装初日から実に2日半で最高レアリティの装備を手に入れ嬉々としていた。


2日半…時間にして約50時間潜っていたことになるのだが

そんなことは別に今に始まった珍しいようなことでもない。


しかし、この日は違った・・・



「ん~。今、何時だ」

いつの間にか寝てしまっていた俺はひとまず時間を確認しようとする。

右に寝返りを打ったが何もない。

反動をつけて左側に寝返ってみたがそこにもなにもない。

何かがおかしい。


段々と目が冷めてきた俺は正面、すなわち天井の景色がいつもと違うことに気がつく。


「まさか、病院か!?」


俺が声を出して驚き、バサッと起き上がると

目の前に中学生くらいの白髪の女の子がパイプ椅子に座っていた。

もっと目立つ特徴として、頭の上に輪っかが浮いている。


何を言っているのかわからないと思うが、俺も何が起きているのかわからない。



「お、ようやく起きたようだね。お寝坊さん」


すまん。3次元は無いだろ。とか散々言ってきた俺だがちょっとトキメイたかも。


「おい、おい顔が赤いぞ?具合でも悪いのか?」


「い、いや。大丈夫だ。ところで、君は一体・・・」


急に顔を近づけてきたので俺は少ないコミュ力で話を逸した。


「おっと、紹介が遅れたね。

僕の名は、ルナ。月の守護を司る女神さ」


僕っ子きたああああああああああ!!

まずい、顔に出てしまう。煩悩は捨てろ。何も考えるなむあみだぶつ


「えっと、ミナト・キリュウくんであってるかな?」


うん。うん!と会釈だけで返す。


「信じられないとは思うが、ミナト。これは本当の話だしっかり聞いてくれ

君は元いた地球という現実で一度死を遂げてしまった。」


首の動きが止まる。

死んだ?俺が?いやいや待て。唐突過ぎて笑えない冗談だぞ。


「その様子だと信じてもらえてないようだね。

ちょっとこれを見てもらおうか。」


ルナと名乗った女の子は座ったまま空中で手首を動かし

目の前にスクリーンのような物を出した。


「これって、俺・・だよな。」


その画面にはベッドで寝ている俺の姿が映し出されていた。

しかもそのベッドを囲むように泣いている家族も映っている


ほんとに、死んだのか?

それともドッキリか?いや、夢かもしれない。


「ミナト、さっきも言ったけどこれは現実(リアル)だよ」


その一言が俺を現実へと誘う。


「死因は・・?」


「地球の方では”原因不明の心臓発作”って言われてるようだね。」


「地球の方ではってどういうことだ?わからないのか?」

自分の死因もわからないで死んだなんて、そんな話いくらなんでもひどすぎるだろ。


「いや、わかるよ。

なんといっても君を殺してここに呼んだのは他の誰でもない僕なんだから。」


えっ・・・

世の中には“オートアサシノフィリア”とかいう性癖もあるようだが

残念というべきか、俺は持ち合わせていない。


「すごい大事な話をしてるんだけど。ちゃんと聞いてる?」


どうやら彼女は人の心が読めたりするのだろうか。

いや、おそらくは俺が感情を表に出しやすい性格なだけなのだろう。

とりあえず、話を続けてもらいたかったので例のごとく頷いた。


「ミナトは、地球ではなくてアストレアという現実での才能が非常に強いんだ。」


「アストレア?聞いたことないな」


「聞いたことがあったらそれこそすごいことだよ!地球とは別の現実なんだから。

で、アストレアなんだけど、存続が危ういくらい危ない状態になってて

各現実から一人、アストレアへの適性が高い人を集わせて危機を乗り越えようとそういう動きをしているんだ。」


「集うってことは俺以外にも同じ境遇の人がいるのか?」


「そうだね。ミナトのいた地球の他に

業火の現実:カムイ、海底の現実:ネレイデス

花の現実:ブローディア、鉄の現実:シトクロムがいたはずだが。」


その全員がアストレアに降りるとは限らない、ということか


「ミナトがすぐに受け入れてくれてすごく助かってるよ。」


世界が変わるだけで別に死ぬわけではないからな。

それに、才能なんて今までは自分とは縁のない物だったしな。どんなものか気になる。


「お、そろそろ時間のようだ。」


そう言うとルナは今まで開きっぱなしにしていたスクリーンを閉じ、かわりに鍵のようなものを何もない空間から出した。


そしてその鍵のようなものを何もない空間に向けて撚ると

カチッ という音とともに大きな二枚扉が現れた。


「ミナト、お詫びといっちゃなんだけど。君の欲しいものを一つ贈らせてもらうよ」


欲しいもの、か。

新しい世界・・じゃなくて現実がどんなところからからないし

とりあえずこう答えた


「じゃ、俺の才能をルナが出来る最大まで引き上げておいてくれ。」


ルナはフッと笑うなり

「ミナトらしい回答だ。承ったよ!存分に暴れてきてくれたまえ!」

と言い放ち扉を開けた。


その後はとにかく白い光に包まれ・・たところまでしか記憶がない。



けど、たしかに言えることが一つある。

俺は無事、異世界転生に成功した。


目が覚めた俺はおそらく女神様が用意してくれたのであろう家のベッドにいた。

近くに窓があったので外を覗くと背中に剣を背負っていたり杖を持っている人たちが普通に歩いているのをみて、そう確信を持てたのであった。


はじめまして。卯月ゆたかと申します。

この引きこもりですが、2話以降はこの半分くらいの文字数の1000字を目安に書いていく予定です。

初投稿ですが、完結まで頑張ろうと思いますので、よろしくお願いします。

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