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人生航路  作者: 智楼
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入学・入園 

昭和五十一年四月九日

朝から雨が降り真冬の寒さ、満開に咲いた桜も散り始めている。


今日は、とうとう浩一の小学校の入学式を迎えてしまった。

私は、入学案内を何回も何回も読んだが、何をやれば良いのか、何を揃えれば良いのか、何を着せれば良いのか、まるでわからず友人に聞いて何とか入学式らしい格好になった。

息子の晴れ姿、記念に残そうと玄関前で記念写真を二枚ほど撮った。

真由美は母に見てもらい留守番。


とにかく外は寒いがそろそろ浩一と二人で出発!

「さぁ、浩一いよいよ出かけるぞ!」

『あーうん』

「何だ、お前はーあまり乗り気じゃないな」

実は二人共、緊張してるせいか乗り気じゃなかった。そうこうしてるうちに学校に到着。

綺麗に着飾った子供達、母親に連れられ、そんな姿を浩一が見つめていたが口には出さず・・・

『パパー早く行こうよ!」

「おう!」

やっと浩一のテンションが上がってきて学校の門をくぐった、周りの子を見てハッとした。

よその子供達は全員、白いタイツを履いている。

浩一には黒いタイツを履かせてしまった、知らずに履かせてしまった事に失敗だと思ったが、今になってどうする事も出来ない。

浩一、ゴメン!

子供達の学校や幼稚園の行事に出るのはこれが初めてで、どこを見ていれば良いのかまごついた。

小さな体に大きなランドセルの浩一、胸の詰まる思い、回りの人は殆んど母親、恥ずかしさをこらえて我が子を見ると、そんな事 気にしてなさそうだ。

浩一と時々、目が合うとお互いニッコリした。

あー!うちの息子も今日から小学一年生だ!


明日は真由美の幼稚園の入園式、たぶん今日より明日の方が辛いだろう。

父親と来るのは真由美だけかな?でも出来る限り、恥ずかしさを捨てて頑張ろう。

明日は我慢して真由美と幼稚園に行こう!



初登校、昨日とは違い少し暖かかった。

『パパ、行ってきます』

「おう!車に気をつけるんだぞ」

『はーい』

浩一は重たいランドセルを背負い通学班の列に並び、いざ学校へ


入園式 当日

真由美には制服を着せ、ボウシを被せ、白いハイソックスを履かせた。幼稚園の決まりがあり、揃える物が少しラクだった。

「真由美、そろそろ行こうか」

『うん』

二人は手を繋ぎ歩いて幼稚園に向かった。

やっぱり母親が多いなー、でも、そんな事は気にしない。真由美のために頑張った。


この二日間、浩一の入学式、真由美の入園式の用意だけで身も心も疲れて、子供達の事も大事だが事あるたびに仕事を休み、収入が目に見えている。

今月は随分休んでしまったから来月は苦しいだろう。

やっぱり男は、仕事と家庭と子育てを両立するには限界がある。

男は仕事が命だと思った。




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