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人生航路  作者: 智楼
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寂しいお別れ

十二月に入り年末が近付いていると言うのに、二十五日に浩一の友達の家の目黒さん一家が引っ越して行った。

そして、三十日、隣人の田中さんも千葉へ引っ越して行く。浩一と真由美の面倒を良く見てくれたのに。

この世の中で一番嫌いなのは別れ〝さよなら〟である。

家の近くに二人の子供達と遊んでくれた人達が居なくなった。

三十日、田中さんの引っ越しの手伝いにトラックを出し、千葉まで行き、荷物を全部降ろし、そして別れる時 涙がこぼれ、何か心のどこかに風穴があったように無情にも寂しかった千葉からの帰り道。

もう、正月が来るのに子供達に何もしてやれない。

イヤでも今、苦しくても、きっと春が来る時があるだろう?と色々考えながら我が家に着いた。

辺りは暗く、いつもなら田中さん家に明かりが点いているはずなのに、暗く雨戸は閉められ物音一つしない。何だか余計に寂しくなる。

もう時期、正月、子供達に何をしてやれば良いのか悩む

町には親子連れが楽しそうに歩いてる。数ヶ月前の我が家もこのようだったと思い、でも過ぎてしまった事は仕方がない。

由美子が家出をしてから、朝から寝るまで子供達の事に追われ時間はなかった。

でも、そんな事は言っていられない。

明日はどういう日かを見つめ、子供達と生きて行こう。

生きている限り、働ける限り・・・

子供達のためなら、この体どうなっても構わない。

でも、考えてみると、これが普通なのかもしれない。母親に捨てられ、あげくの果てに父に捨てられたら誰が子供達を見てくれるのか?

二人の子供達はイタズラで言う事きかないが可愛い子供達だ。

幸せ薄い子供達、バカな父と母を持ったお陰で不敏な思いしてる事だろう。

今日は大晦日・今年ももう終わる。

そして、正月 楽しくもなければ、嬉しくもない、回りが正月気分で騒いでいるとそれだけで心が暗くなる感じがする。

家の事、仕事の事、その他、良い事も悪い事も忘れてしまう事が出来るのは、家の前で空手の稽古をしている時だ。

三十分だけとは何と悲しいのだろう。

[黒帯が泣くぞ!空手男!]

自分で自分を慰める今日この日。





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