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人生航路  作者: 智楼
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ゴールデンウィーク

五月二日~五日の四日間子供達と一緒に過ごすと計画を経てていた。


四月末、浩一からゴールデンウィークは、帰れるのかどうかと言う内容の手紙が来た、その返事には、「今度の五月二日~五日の連休は、お父さんと一緒に過ごせるよ、真由美にも言っておくように!」と書き出した。

きっと、子供達も楽しみにして、その気でいるに違いない。


子供達の人生は私のための人生と考える。きっと、妻・由美子が離れたその日から、そのような考えがあったと思う。


二日の早朝、孤児院へと向かった。子供達も楽しみに待っている事だろう。

孤児院に着くとすぐ外泊許可をもらい子供達と我が家に帰って来た。

家に着くなり浩一は。

『お父さん、ちょっとここに立ってて、動いたらダメだからね』

『いくよ、ハイチーズ』

「浩一、ちゃんと撮れたか?」

『うん、大丈夫撮れた』

最近覚えたカメラで家族を写したり、外に出て、車を撮ったり、楽しんでいる。

『次、まゆ撮るからね』

『可愛く撮ってね』

『ハイチーズ』

「次は、お父さんが浩一を撮ってやるからカメラ貸してみ?」

『僕は いいから、外を見に行って来るね』

「気をつけろよ」

浩一はお気に入りのカメラを持って外に行ってしまった。


真由美は会うたびに成長していくな。

「真由美、夕飯の手伝いしてくれるか?」

『いいよー、何するの?』

「テーブル拭いて、茶碗と箸、並べてくれるか?」

『うん、分かった』

真由美は、台所仕事を助けてくれるようになった。父の気持ちを理解している。


浩一・真由美の事を思うと、この世に生まれ、人並みに生活しているはずの子供達。

子供達の成長を、この目で見ていたら、悲しい時、嬉しい時 分かち合う事が出来ていたらといつも思う。

楽しい四日間、あっと言う間に過ぎてしまい、五日、子供達を孤児院に送って行った。

その帰り、浩一が撮ったフィルムを現像に出し数日後、取りに行った。

家に帰り、出来上がった写真を見てみると、私と真由美。外に行って撮った車などが写っていた。

あと数枚は、浩一が自分で自分を撮ったであろう写真が、顔の半分しか写ってなかったり、目しか写ってなかったり、ドアップで変な写真ばっかりだった。

あの時、浩一も撮ってやると言ったのに、いいよ!と断られた理由が今、写真を見て分かった。

まったく浩一は、自分で自分を写すなら、もっとちゃんと写せよと思い、一人部屋で見ながら笑ってしまった。 

この写真は、私の宝物、寂しい時、悲しい時、浩一と真由美に会いたくなった時、見ようと思ったが、見ているだけで涙も出てくるが、浩一の変な写真を見ると自然と笑えた。


もう子供達はベッドの中であろうか?

どんな夢を見ているのだろうか?

楽しい夢を見ていたらいいが・・・


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